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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ不安定な上昇局面!戻り売り時期を探索?

ベルルスコーニ首相の辞任が決定する中、イタリア上院が財政健全化法案を可決、同時に、下院においても同案が可決され、欧州債務危機に対する与野党の結束が確認、mまた、ギリシャではパパンドレウ首相が辞任、パパデモス前欧州中央銀行(ECB)副総裁が新首相に就任するなど、相対的に、ユーロ債務問題に対する警戒感が和ぎ、7%の危険水準まで上昇していたイタリア10年債利回りが7.4%から6.7%まで低下したことも好感され、ユーロドルは底堅さを見せている。また、米11月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったことから、NYダウが上げ幅を拡大すると共に、市場は欧州通貨を中心に米ドル売り・円売りが進行している。
一方、ユーロ債務危機がイタリアに飛び火したことを受けて、機関投資家やヘッジファンドなどのユーロ離れが継続する中、フランスの格下げ問題も浮上しているが、既に、格付け会社ムーディーズはフランスの「Aaa」格付けの見通しを3ヶ月以内に「ネガティブ」とする可能性を指摘しており、今後の景気動向次第では格下げが現実味を帯びてくる可能性は大であろう。
他方、IMM通貨先物においては、依然として、ユーロショートの高止まり懸念などがあり、ユーロを積極的に買い戻す状況には至っておらず、不安定な上昇局面と言わざるを得ない。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年11月13日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.2100 現状乖離幅0.2024→0.2158(A)100÷106.10=0.9425−(B)1÷1.761=0.7267=0.2158
先週の買いシグナル78.20円から下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見77.10円が点灯している。中期チャートにおいては、買いシグナルが点灯しており、76円前後からの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 29.55→29.00円
先週の買いシグナル1.3779から若干下落しているが、今週は弱めの買いシグナル1.3761が点灯している。中期チャートにおいては、引き続き様子見が点灯しており、1.3500〜1.4000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.3850〜1.3950)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −3.10→−2.25円
先週の様子見1.0396から下落しているが、今週も引き続き、様子見1.0292が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルが点灯しており、1.05前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.00円 現状乖離幅 15.90→16.50円
先週の弱めの買いシグナル0.7960から下落しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.7860が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、0.7700〜0.8100のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(0.7900〜0.7950)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 1.25→1.00円
先週の弱めの売りシグナル1.0162から若干下落して下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見1.0131が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、0.9900〜1.0300のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 47.20→46.85円
先週の強めの買いシグナル1.6077から変化はないものの、今週は逆に弱めの売りシグナル1.6077が点灯しており、相対的に様子見レベルに位置している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルが点灯しており、1.5800〜1.6300のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.6000)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −13.00円 現状乖離幅 −10.05→−8.55円
先週の売りシグナル0.8839から上昇に転じているが、今週は弱めの売りシグナル0.9002が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、0.90台からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8700〜0.8800)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 19.05→18.75円
先週の乖離幅から若干縮小しており、今週は、短期チャートでは豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯しているが、中期チャートでは様子見が点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月平均は181.95円、11月第1週は185.95円、そして、今週はユーロ円106.10+ドル円77.10=183.20円と円高に傾斜している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 17.65→17.85円
先週の買いシグナル0.8593から若干下落しており、今週も引き続き買いシグナル0.8560が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.8500割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8750〜0.8800)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 13.00円 現状乖離幅 19.50→19.50円
先週の売りシグナル1.2210から上昇を速めているが、今週も引続き、売りシグナル1.2388が点灯している。中期チャートおいては様子見から弱めの売りシグナルに移行しており、1.24台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.2050~1.2100)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 28.00円  現状乖離幅 37.15→38.30円
先週の売りシグナル1.4210から上昇を速めており、今週は強めの売りシグナル1.4472が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.45台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3550〜1.3650)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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