外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >外為
  5. >米金利下げ止まりでドル買い戻し条件整う!?

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米金利下げ止まりでドル買い戻し条件整う!?

ファイルを開く

予想レンジ
ドル円     110.00~111.00
ユーロ円    129.70~130.70
ユーロドル   1.1730~1.1830
豪ドル円    80.80~81.80

新型コロナウィルスのデルタ株の感染再拡大が猛威を奮う中、東京五輪は賛否両論があるものの、無難に開幕されている。その中、先進諸国ではコロナ禍において、再封鎖に追い込まれる可能性は低いとの見方も有力視されているが、既にコロナとの共存を図っている以上、後戻りはできない情勢にある。そして、パンデミックからの景気回復は各国でまちまちではあるが、米国ではコロナ後の景気回復に焦点が集まっており、米国株式市場ではNYダウが連日上昇、35,000ドル台を一気に回復、そして、米債券利回りの上昇も手伝い、ドルを買い戻す動きが否応なしに高まっている。ただ、ドルロングもある程度積み上がっており、もう一段のドルの上昇局面では一旦清算入りと見なした方が無難であろう。

一方、ドル円は米長期金利の下げ止まりもあり、ドル円110円台で底堅い状況ではあるが、実需売りや利益確定売りもドル円111円前後で散見されており、拙速的な上値トライには慎重にならざるを得ない。引き続きレンジ幅ドル円110.00~111.00円を重視し、同レベル前後からナンピン売買が一考であろう。

他方、ユーロドルは米ドル主導の展開は否めないが、ラガルドECB総裁が中期的なインフレ見通しはECBの目標を下回っており、一時的にインフレは持ち直しているが、パンデミックが引き続き経済の重石になっており、経済のダメージが修復されるまでは長い道のりとネガティブな見解もあり、依然として、戻り売りが優先されている。引き続きレンジ幅ユーロドル1.1730~1.1830を重視し、同レベル前後からナンピン売買が賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド