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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ債務危機蒸し返し!戻り売り志向強まる?

市場は相変わらず、ユーロ一色の展開であるが、この数日間、ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避や銀行の資本を強化など、欧州危機の拡大を阻止する案が模索されている最中、昨日、欧州連合(EU)が23日の首脳会議でユーロ圏債務危機を一気に収束させる策を示すことはないとの見解を明らかにしている。また、ショイブレ・ドイツ財務相が「次回のEU首脳会議でユーロ圏債務危機の最終的な解決策は提案されないだろう」と発言したことを受けて、債務危機解決への期待感が削がれた恰好となり、再度、リスク回避姿勢が強まり、一転して、ドル買い・円買いが優勢になっている。

一方、シュタルクECB専務理事は欧州には真の経済統合が必要と述べる中、ユーロ共通債では危機解決は困難であり、ECBにこれ以上の方策を要請することは、中央銀行の領域を踏み越えるものであると示唆し、同時に、ギリシャのユーロ圏離脱は計り知れない結果をもたらすだろうと悲観的な見解を述べていることもユーロ売りの圧迫材料になっている。

他方、週末のG20財務相・中央銀行総裁会議では、ギリシャ債務問題も含めて、EFSFの一段の機能拡充や欧州銀行の資本増強などに関する包括的な対応策に期待感が増していたが、現時点では、ユーロ債務危機が再び振り出しに戻ったと判断しても過言ではないだろうが、同時にフランス国債の格下げ問題が浮上するなど、ユーロ圏を巡る諸問題が改めて意識されており、市場はユーロの戻り売りに大きく傾斜している。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年10月16日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.200 現状乖離幅0.2257→0.2093(A)100÷107.25=0.9324−(B)1÷1.3883=0.7231=0.2093
先週の弱めの買いシグナル76.80円から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル77.25円が点灯している。中期チャートにおいても、弱めから通常の買いシグナルに移行しており、76円台半ば前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(78.00〜78.50)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 26.00→30.00円
先週の弱めの買いシグナル1.3385から上昇を速めており、今週はポジション解消売りを伴い、売りシグナル1.3883が点灯している。中期チャートにおいても弱めの買いシグナルから弱めの売りシグナルに移行しており、1.39台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3600〜1.3700)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅 1.80→−2.30円
先週の様子見0.9766から上昇を速めており、今週は売りシグナル1.0330が点灯している。中期チャートにおいても同様に弱めの買いシグナルから売りシグナルに移行しており、1.04前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0050〜1.0100)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 15.00円 現状乖離幅 17.55→17.25円
先週の弱めの買いシグナル0.7715から上昇に転じており、今週はポジション解消売りを伴い、弱めの売りシグナル0.8052が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、0.81台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7900〜0.7950)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 2.85→0.80円
先週の弱めの売りシグナル1.0385から下げ足を速めており、今週はポジション解消買いに伴い、様子見1.0105が点灯している。中期チャートにおいてもほぼ様子見レベルの弱い買いシグナルが点灯しており、1.0000~1.0500のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 42.70→42.10円
先週の様子見1.5560から上昇に転じており、今週は売りシグナル1.5812が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの買いシグナルが点灯しており、1.5500~1.6000のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.5550~1.5650)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −18.00円 現状乖離幅 −6.00→−9.30円
先週の売りシグナル0.9275から下落に転じているが、今週も売りシグナル0.8925が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、0.90台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8700〜0.8800)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 15.75→17.60円
先週の様子見から乖離幅が拡大傾向にあり、今週は短期チャートでは豪ドル円売り・NZドル円買いが点灯しているが、中期チャートでは逆に豪ドル買い・NZドル売りが点灯しており、14~19円のレンジ相場を形成している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65→19.95→19.20→20.20→19.20→17.30→17.30→16.95→15.85→15.65→17.05→16.70→16.85→17.45→15.95→15.55→15.85→15.75→17.60円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月平均は195.60円、7月平均は194円、8月平均は187.70円、9月平均は183.10円、10月第1週は180.45円、第2週は179.60円と円高に突入、そして、今週はユーロ円107.25+ドル円77.25=184.50円まで円安が進行している。(目安*185円以下は円売り局面⇔195円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 15.00円 現状乖離幅 16.90→16.20円
先週の買いシグナル0.8603から上昇しており、今週はポジション解消売りを伴い、様子見0.8780が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルが点灯しており、0.8400~0.8900のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 12.00円 現状乖離幅 18.25→20.00円
先週の強めの売りシグナル1.2415から若干下落しているものの、今週も引き続き強めの売りシグナル1.2392が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.24台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.1700~1.1800)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 27.00円  現状乖離幅 35.15→36.70円
先週の売りシグナル1.4432から下落を速めているものの、今週も引き続き強めの売りシグナル1.4113が点灯している。中期チャートおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.44前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.2900〜1.3000)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的
な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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