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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円買い志向後退!クロス円下値限定的?

世界的な景気減速懸念が株価を押し下げる中、NYダウが下げ幅を拡大したことや、原油先物相場が下落したこと等を背景に為替市場ではリスク許容度の低下から、ユ−ロや資源国通貨を中心に売りが優勢になっている。ユーロドルは7月の金利先高観測が強まったにもかかわらず、1.44台後半から一時1.43割れへと押し下げられている。
また、ギリシャ債務問題が燻ぶる中、ECB政策委員が「ECBは、担保に関する政策を再考する必要」との発言を受け、ドイツ国債と南欧諸国の国債利回りのスプレットが拡大していることも、短期筋によるポジション調整売り圧力が増していることがユーロ売りを誘発している。

一方、シカゴIMM通貨先物によれば、金利引き上げ観測が高まる中、ユーロが1.46台半ばまで買い戻された時点では、投機筋のロングポジションが再び5.1万枚台に回復していることが逆にポジション調整売り意欲が強まる中、ユーロの上値の重さに繋がっている。当面、ユーロの買い戻しは1.45レベル程度と判断するのが無難であろう。

他方、ドル円は80円前後で試行錯誤が続いているが、79円台に突入するたびに、クロス円も下落局面を迎えているが、反面、安値感を背景として、機関投資家並びに信託筋による円キャリートレードの思惑が強まる傾向があるが、日本経済の長期低迷による外債投資の動きがある以上、ドル円の下値は限定的と判断するのが順当であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年6月12日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1550 現状乖離幅0.1686→0.1710
A)100÷115.20=0.8681 B)1÷1.4346=0.6971=0.1710
先週の買いシグナル80.20円から変化は見られず、今週も引き続き買いシグナル80.30円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として強めの買いシグナルが点灯しており、80円割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(81.50〜82.00)

▼ユーロドル(ドル円−ユーロ円)
平均乖離幅 35.20円 現状乖離幅 34.80→37.20円
先週の売りシグナル1.4638から下落を速めており、今週は弱めの売りシグナル1.4346が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.45前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4150〜1.4250)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 −3.20円 現状乖離幅 −5.80→−4.25円
先週の強めの売りシグナル1.0723からゲラを速めており、今週も通常の売りシグナル1.0529が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.0600前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0200〜1.0300)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.80円 現状乖離幅 14.80→14.40円
先週の強めの売りシグナル0.8168から若干上昇しているが、今週は強い売りシグナル0.8207が点灯している。中期チャートにおいては強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7600〜0.7700)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −2.20円 現状乖離幅 −1.90→−1.65円
先週の弱めの買いシグナル0.9769から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル様子見0.9799が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、0.9500〜1.0000のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.9850〜0.9900)

▼ポンドドル(ドル円−ポンド円)
平均乖離幅 52.20円 現状乖離幅 51.75→49.95円
先週の売りシグナル1.6428からポジション解消買いを伴い、今週は様子見1.6220が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、1.6000〜1.6500のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −10.20円 現状乖離幅 −16.00→−14.90円
先週の強い買いシグナル0.8337から上昇に転じているが、今週も引き続き強い買いシグナル0.8435が点灯している。中期チャートにおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8850〜0.8950)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 23.00円 現状乖離幅 20.60→18.65円
先週の乖離幅から更に縮小しており、今週は乖離幅18.65と短期及び中期チャート共に、強めの豪ドル買い・NZドル売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20→22.80→23.20→21.40→22.25→23.20→22.45→21.85→22.05→20.50→20.60→18.65円
★ターゲット(22.50〜23.00円)

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月平均は196.00円。4月平均は203.80円、5月平均は197.15円、6月第1週は197.80円、そして、今週はユーロ円115.20+ドル円80.30=195.50円へと円高に振れている。
(目安*195円以下は円売り局面⇔205円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 17.00円 現状乖離幅 14.35→15.05円
先週の売りシグナル0.8911から若干下落しているが、今週も引き続き通常の売りシグナル0.8845が点灯している。中期チャートにおいては様子見が点灯しており、0.9000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8650〜0.8750)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 25.00円 現状乖離幅 21.20→20.00円
先週の強めの買いシグナル1.2204から更に上昇しており、今週は強い買いシグナル1.2101が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2600〜1.2700)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 42.00円  現状乖離幅 35.55→35.05円
先週の強い買いシグナル1.3695から変化はなく、今週も強い買いシグナル1.3682が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからお押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.4400〜1.4500)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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