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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円底堅い展開!戻り買い&押し目買いに妙味?

先週末発表されたミシガン大学消費者信頼感指数は2009年11月以来まで悪化したにもかかわらず、当面、リビア情勢、欧州債務問題、そして、福島原発事故などの動向を見極めたい思惑から、投資家の不安心理を反映するVIX指数が落ち着きを見せる中、米NYダウが堅調に推移し、相対的に米ドルの調整買いにマーケットは傾斜している。また、各連銀の要人発言が相次いでおり、エバンス・米シカゴ連銀総裁は「追加緩和の必要性は弱まっている」、そして、プロッサー・米フィラデルフィア連銀総裁は「政策当局は近い将来出口政策が必要に」などのコメントが好感されたこともドルの買いの追い風になっている。

一方、ユーロドルは独3月IFO景気動向が事前予想を上回り、東西ドイツ統一以降では最高の111.2を記録したことから底堅い状況にあったが、その後、格付け機関のS&Pが「ポルトガル国債をBBBに格下げ、ネガティブの見通し」と発表したことがユーロの重石となり、更に、欧州安定メカニズム(ESM)の全容が明らかになれば、もう1段階の引き下げの可能性を指摘したことが、ユーロドルの調整売りを速めている。

他方、EU首脳会議声明では、為替についてはG7の円に関する行動を歓迎したことが改めて発表されており、円高志向は後退しつつあるものの、野田財務相は「介入時に比べれば為替相場は落ち着いてきているが、介入は一定の水準の時ではなく、過度な変動があった場合に実施する」と発言している。当面、円高阻止としては、ドル円78~79円では協調介入、そして、80円割れでは日銀の単独介入が実施される可能性が高く、下値は限定的になりつつある。反面、ドル円82円台では実需売りや3月期末のリパトリによる円買いなどが控えているため、80.50~82.50円のレンジ幅をイメージして臨むことが得策であろう。

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年3月27日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)88
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1589→0.1698
A)100÷114.60=0.8726 B)1÷1.4103=0.7091 A−B=0.1635)先週の様子見80.60円から上昇に転じているが、今週も引き続き様子見81.40円が点灯している。中期チャートにおいては弱めの買いシグナルから様子見に移行しており、79〜83円のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 31.00円 現状乖離幅 33.65→33.20円
先週の売りシグナル1.4175から若干下落しているものの、今週も引き続き通常の売りシグナル1.4103が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3850〜1.3900)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 0.35→−2.10円
先週はパリティ割れで様子見0.9957が点灯していたが、今週は、再びパリティ越えとなり、通常の売りシグナル1.0258が点灯している。中期チャートにおいては、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0050〜1.0100)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 21.75→20.10円
先週の買いシグナル0.7301から上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見0.7531が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルが点灯しており、0.76前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −1.20→−1.50円
先週の様子見0.9853から若干下落しており、今週は弱い買いシグナル0.9819が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが継続しており、0.97前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9850)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 49.00円 現状乖離幅 50.20→49.05円
先週の売りシグナル1.6228から下落を速めており、今週はポジション解消買いを伴いながら、弱い買いシグナル1.6026が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、1.5900~1.6300のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(1.6100〜1.6150)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −8.00円 現状乖離幅−8.70→−7.05円
先週の買いシグナル0.9026から上昇に転じており、今週はポジション解消売りを伴い、弱めの売りシグナル0.9203が点灯している。中期チャートでは、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、0.9000~0.9400のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.9100〜0.9150)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 21.40→22.20円
今週は乖離幅が再び拡大傾向にあり、短期チャート並びに中期チャート共に豪ドル円売り/NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85→22.70→21.40→22.20円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月第1週は197.30円、第2週は195.75円。第3週は194.85円、
そして、今週はユーロ円114.60+ドル円81.40=196.00円。
(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 18.00円 現状乖離幅 16.55→15.85円
先週の売りシグナル0.8735から若干上昇しているが、今週も引き続き通常の売りシグナル0.8785が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、0.88台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.8550〜0.8600)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 23.00円 現状乖離幅 24.95→26.15円
先週の様子見1.2794から再び上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル1.2956が点灯している。中期チャートおいても売りシグナルが点灯しており、1.3000前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.2650~1.2750)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.00円  現状乖離幅 41.50→42.00円
先週の弱めの買いシグナル1.4647上昇に転じており、今週はポジション解消売りに伴い、様子見1.4748が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.46割れからの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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