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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

情報錯綜中!ドル円80〜83円のレンジで注視?

未憎悪の大地震の影響から円流動性資金の欠如を踏まえて、一時円買いが殺到し、ドル円は80円台半ば近辺まで下落したが、その後は海外勢からの円資産売却などの日本離れ(円売り)の思惑が働き、徐々に値は戻しつつあるが、短期的にはドル円の乱高下は避けられない情勢にある。 
一部では、米著名投資家のデニス・ガートマン氏が大地震の影響からドル円は数週間以内に75円へ下落する可能性があるとの過激な発言なども錯綜しているが、ポジションを手仕舞う動きが早まる中、ドル円80円割れでは日銀介入が視野にあるだけに、積極的に円買いを敢行する状況ではなく、当面、80〜83円のレンジ幅の中でストップロスを十分に考慮した上で慎重に取り組むしか良策はないだろう。
一方、ユーロドルも先週末の米3月のミシガン大学消費者信頼感指数は68.2と予想76.5を大きく下回ったことが嫌気されたドル売りが優先され上昇基調を速めているが、潜在的なユーロ買いの材料は希薄であり、ユーロドル1.4000前後では利益確定売りが予想されるだけに、上値は限定的と判断するのが妥当であろう。
クロス円に関しても、ドル円の動向が読み切れない以上、ある程度の乱高下を想定した上で待機策に努めることを優先すべきであるが、少なくとも現状レベルから100pbtsの上下動を想定して、逆張り志向で臨むことを勧める。

●KJ ウィークリーレポート2011年3月14日

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2011年3月13日

▼ドル円⇔ユーロからのドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1543→0.1589
A)100÷113.90=0.8780 B)1÷1.3907=0.7191
 A−B=0.1589)先週の様子見82.25円から若干下落しているものの、今週も引き続き様子見81.85円が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、81〜83円のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 29.00円 現状乖離幅 32.80→32.05円
先週の強めの売りシグナル1.3988から若干下落に転じているが、今週も引き続き強めの売りシグナル1.3907が点灯している。中期チャートでは依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.3450〜1.3550)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 −1.20→−1.20円
先週の売りシグナル1.0146からパリティ1.0000前後ではポジション解消買いが伴ったが、今週も通常の売りシグナル1.0146が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9950〜1.0000)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 21.50→21.00円
先週の強めの買いシグナル0.7386から若干上昇に転じており、今週は通常の買いシグナルし0.7434が点灯している。中期チャートにおいては、逆に売りシグナルが点灯しており、0.7200〜0.7600のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(0.7500)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 −1.00円 現状乖離幅 −2.40→−2.35円
先週の買いシグナル0.9716から変化は見られず、今週も引き続き通常の買いシグナル0.9721が点灯している。中期チャートにおいては強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9800〜0.9900)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 47.50円 現状乖離幅 51.50→49.80円
先週の強めの売りシグナル1.6261から下落を速めており、今週は通常の売りシグナル1.6074が点灯している。中期チャートにおいても、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5800〜1.5900)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −4.50円 現状乖離幅−6.70→−6.25円
先週の強めの買いシグナル0.9247から若干上昇しているが、今週も引き続き強めの買いシグナル0.9296が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9400〜0.9500)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 20.00円 現状乖離幅 22.70→22.20円
今週は乖離幅は縮小しているが、短期チャート並びに中期チャート共に、強めの豪ドル円売り・NZ円買いシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。
14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→16.65→18.10→18.95→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10→19.70→19.60→18.40→19.10→18.15→20.00→20.15→21.00→21.85⇔22.70円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255円。2009年度平均は224円、2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月平均193.70円。2011年度1月平均は192.55円。2月平均は195.30円、3月第1週は197.30円、そして、今週はユーロ円113.90+ドル円81.85=195.75円。(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 18.70→17.75円
先週の弱い売りシグナル0.8602から若干上昇しているものの、今週も弱めの売りシグナル0.8652が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、0.8700台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.8500〜0.8550)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 24.00円 現状乖離幅 26.10→25.80円
先週の様子見1.2934から変化は見られないが、今週はチャート上では弱めの売りシグナル1.2938が点灯している。中期チャートおいては様子見レベルで推移しており、1.2700〜1.3100のレンジ相場を形成している。 ★買いターゲット(1.2800〜1.2850)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 43.00円  現状乖離幅 44.80→44.80円
先週の様子見1.5036から若干下落しており、今週は弱い買いシグナル1.4934が点灯している。中期チャートおいては買いシグナルが点灯しており、1.4800〜1.5200のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.5000)



プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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