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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

過度な円高期待禁物!

クリスマス休暇の影響を受けて、市場参加者が減少する中、為替市場は閑散で終始している。欧州諸国の格付け引き下げ報道などを背景にして、相対的にユーロドルが軟化しているが、一部にはフランスの格下げの噂などが先行していたが、格付け会社S&Pからはフランスの格付け据え置きと安定的見通しが示されユーロドルは1.3000割れを回避しているが、リスク回避志向の強まりから、ユーロドルンの戻り売りが顕在化しつつある。
一方、日本政府筋から2011年度予算案において、「為替介入枠を現在の145兆円から5兆円程度増額する公算」との発言が伝わり、野田財務相も為替について、「市場動向を注視し、必要な時には断固たる措置をとる」とコメントしたが、市場の反応は限定的になっている。補足的になるが、ドル円が83円前後で推移する中、この時期に為替介入枠の増額を発表することは異例でもあり、原則的には投機筋の仕掛けに注意を促す働きがあるだろう。統計的にも年初の為替市場が荒れる傾向が強く、年末年始の薄商いを懸念した対応策であろうが、円高阻止に向けての事前対策の一貫と捉えた方が賢明であろう。
本日もロンドン市場がクリスマスの振替休日で休場となるため、様子見ムードが漂っており、総じて、値動きは限られるだろうが、週末に中国人民元銀行が0.25%の利上げを実施したことから、やや円買い圧力が増しているが、中国株式市場の動向に注視し、過度な円高期待は禁物であろう。


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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年12月26日

▲ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1449→0.1578
A)100÷108.70=0.9200 B)1÷1.3120=0.7622
(A−B=0.1578)
先週の弱めの売りシグナから83.95から下落する中、ポジション解消買いを伴い、今週は弱めの買いシグナル82.85円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、82~85円のレンジ相場を継続している。
★売りターゲット(83.00~83.50)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 26.75→25.85円
先週の強めの買いシグナル1.3186から若干下落しており、今週は引き続き強めの買いシグナル1.3120が点灯している。中期チャートにおいては様子見から買いシグナルに移行しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3400~1.3550)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 1.00→−0.45円
先週の様子見0.9881から再びパリティ越えとなり、今週は通常の売りシグナル1.0054が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、1.0100前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9800〜0.9900)

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 19.50円 現状乖離幅 21.05→20.75円
先週の強め買いシグナル0.7362から上昇に転じており、今週は通常の買いシグナル0.7495が点灯している。中期チャートにおいては様子見から弱い売りシグナルに移行しており、0.7300〜0.7600のレンジ相場を形成している。★売りターゲット (0.7550〜0.7650)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 1.80→0.65円
先週の弱め買いシグナル1.0133から若干下落しているが、チャ−ト上ではほぼ様子見1.0079が点灯している。中期チャートにおいても同様に様子見が点灯しており、0.9900〜1.0300のレンジ相場を形成している。★様子見

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 48.50円 現状乖離幅 46.40→45.10円
先週の買いシグナル1.5583から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル1.5444が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.5800~1.5900)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −1.50円 現状乖離幅−2.55→−3.30円
先週の様子見0.9705から上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル0.9617が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、0.9500前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9800)

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.00円 現状乖離幅 21.15→21.20円
乖離幅には変化は見られずも、引き続き強めの豪ドル円売り・NZ円買いに妙味が生じている。中期チャートにおいても強めのシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15→22.10円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月第1週は193.40円、第2週は195.05、第3週は194.65円そして、今週はユーロ円108.70+ドル円82.85=191.65円へ円高圏内に突入している。
(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨比較
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 19.65→19.25円
先週の弱めの買いシグナル0.8493から変化はないが、今週は様子見0.8496が点灯している。中期チャートにおいても様子見が、0.8300~0.8600のレンジ相場を形成している。
★様子見

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 28.00円 現状乖離幅 24.20→22.55円
先週の強めの買いシグナル1.2971から下げ足を速めており、今週は強い買いシグナル1.2618が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.3100〜1.3300)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 47.00円  現状乖離幅 43.80→41.80円
先週の強めの買いシグナル1.5069から更に下落しており、今週は強い買いシグナル1.4852が点灯している。中期チャートおいても強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.5500〜1.5600)

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★★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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