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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロドル買い材料見当たらず!再度1.3000割れ懸念?

先週末はユーロ圏で悪材料が噴出する中、ユーロドルは1.33台半ばから1.31台半ばまで急落している。特に目新しい材料ではないが、格付け機関ムーディーズはアイルランドの格付けを金融機関の負債と、先行き不透明感の拡大、資金調達力の低迷によるものとし、「Aa2」から「Baa1」へと5段階引下げた上、格付け見通しを「ネガティブ」とし、更なる格下げの可能性を暗示している。また、同社は「ギリシャの6つの銀行を格下げする可能性ある」事を公表したことも、ユーロ圏債務危機に対する懸念を拡大させている。

一方、IMF(国際通貨基金)も「アイルランド危機、重大な伝染リスクある」「アイルランド危機の影響を最も受けやすいのはギリシャ、ポルトガル、スペインであり、同危機はドイツ、米国・英国など、他の主要国の銀行のエクスポージャ−に影響を及ぼすとの見解を打ち出したことも、ユーロ圏の危機的な状況を表している。欧州株式市場はアイルランド危機を受けて、銀行株を中心に軒並み下落する中、ファン・ロンパイEU大統領がEU首脳は新しいストレステストで合意、同時にEU首脳はECBの行動を支えると言及したことから、一時ユーロドルは上昇基調を強めていたが、その後、アイルランド問題を背景にして、ユーロドル売りが加速しており、予断を許せない状況に至っている。

他方、ドル円は84円前後でこう着度を強める中、リスク回避志向の高まりから、クロス円も総じて上値の思い展開を強いられているが、上昇基調にあった米国債利回りは安全資産の受け皿となり、積極的な米国債購入志向から低下を余儀なくされている。
いずれにしても、クリスマス休暇に向かって、マーケットは複雑化しており、当面、投機筋の仕掛けなどを背景にして、動きづらい展開であるが、目安としては、リスク回避選考では米長期金利の動向に注視せざるを得ないが、基本的には戻り売りを軸に、ユーロドルは1.3000〜1.3300、ドル円は83〜85円のレンジ相場の範疇で売買を模索することが賢明であろう。


●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2010年12月19日

▲ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1600 現状乖離幅0.1445→0.1449
A)100÷110.70=0.9033 B)1÷1.3186=0.7584(A−B=0.1449)
先週の弱めの売りシグナから83.95から変化は見られず、今週も弱めの売りシグナル83.95円が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの買いシグナルが点灯しており、82~85円のレンジ相場を継続している。★買いターゲット(82.50~83.00)

▲ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 30.00円 現状乖離幅 26.15→26.75円
先週の買いシグナル1.3234から若干下落しており、今週は強めの買いシグナル1.3186が点灯している。中期チャートにおいてはほぼ様子見が点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.3450~1.3550)

▲豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 1.20→1.00円
先週の弱めの売りシグナル0.9857から若干上昇しているが、今週はほぼ様子見0.9881が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、0.99台からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

▲NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 17.50円 現状乖離幅 21.15→21.05円
先週の弱めの買いシグナル0.7481から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル0.7362が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルから様子見段階に突入しており、0.73前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット (0.7550〜0.7650)

▲カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.00円 現状乖離幅 0.85→1.80円
先週の弱め買いシグナル1.0102から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル1.0133が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの売りシグナルが点灯しており、0.9950〜1.0300のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.0200〜1.0250)

▲ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 49.00円 現状乖離幅 48.80→46.40円
先週の弱めの売りシグナル1.5813から下げ足を速めており、今週は逆に強めの買いシグナル1.5583が点灯している。中期チャートにおいては様子見から弱めの買いシグナルが点灯しており、1.5500前後からの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.5800~1.5900)

▲ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −2.00円 現状乖離幅−1.70→−2.55円
先週の弱めの売りシグナル0.9802から、若干下落しており、今週はポジション解消買いに伴い様子見0.9705が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★様子見

▲オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.50円 現状乖離幅 19.95→21.15円
節目である20円台を難なく突破し、21.15円まで乖離幅が拡大しており、今週は豪ドル円売り・NZ円買いに妙味が生じている。中期チャートにおいても強めのシグナルが点灯している。過去の週間ごとの経緯は以下の通り。20.35→19.90→18.40→15.95→16.65→13.80→15.25→15.05→14.25→13.50→14.55→13.75→16.20→15.90→15.90→16.65→16.65→18.10→18.95→19.10→18.90→19.20→19.10→17.50→17.80→17.50→17.30→18.00→18.65→19.95→21.15円

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均は255.20円。2009年度第1四半期平均216円、第2四半期平均230.00円、第3四半期228円、4四半期223円。2010年度1月平均222.70円、2月平均213.90円、3月平均213.50円。4月平均219.40円、5月平均208.60円、6月平均201.85円、7月平均199.40円、8月平均196.50円。9月平均194円。10月平均196.10円。11月平均195.30円。12月第1週は193.40円、第2週は195.05、そして、今週はユーロ円110.70+ドル円83.95=194.65円へと平衡線を維持している。
(目安*190円以下は円売り局面⇔200円以上は円買い局面)

★欧州3大通貨比較
▲ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 21.65→19.65円
先週の買いシグナル0.8369から上昇に転じており、今週は弱めの買いシグナル0.8493が点灯している。中期チャートにおいては弱めの売りシグナルが点灯しており、0.8300~0.8600のレンジ相場を形成している。
★売りターゲット(0.8500〜0.8550)

▲ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 27.00円 現状乖離幅 25.45→24.20円
先週の買いシグナル1.2971から下げ足を速めており、今週は強めの買いシグナル1.2798が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.3200〜1.3300)

▲ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 47.00円  現状乖離幅 47.10→43.80円
先週の弱めの買いシグナル1.5499から急速に下落しており、今週は強めの買いシグナル1.5069が点灯している。中期チャートおいては強い買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。 ★売りターゲット(1.5500〜1.5600)

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★★本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資戦略をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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★★ペットチャート閲覧は後日公開予定


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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