外国為替取引ニュースサイト

  1. トップページ
  2. >コラム・レポート
  3. >鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー
  4. >ドル円118円ニュートラル相場へ! 

コラム & レポート

バックナンバー

鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円118円ニュートラル相場へ! 

▼今週は3月年度末に向けて、本邦では為替自体の動きも調整地合が強まるが、米ドル安と円安基調が甦っているように、米経済の不透明さが払拭できない以上は、波乱含みの展開が待ち受けている相場である。 総じて、米ドル離れがやや加速気味であるように、依然として、サブプライム問題がマーケットを更に困惑させてはいる状況は変わらず、同時にヘッジファンド系の運用手段もキャリートレードにエスカレートしているとの報道もあり、予断は許せない状況が続くと見るべきであろう。先週は世界同時株安が落着きを見せ、意外にも早い回復基調を示しており、円安・株高傾向が期待されるが、人民元高も急浮上しており、株価との連動性に固執できる状況でもなく、かなり難解な相場展開になる事はと必死であり、売買の展開を早めて臨むことを優先させる相場であろう。
▼米経済はインフレ抑制力が働きはじめており、FOMC内でも利下げ観測もあるようだが、米ドル離れを促すような早まった行動は取りたくないのも事実であろう。そして長期金利の利回りも上昇しているが、裏を返せば、米国債売却の状況もイメージできるとなれば、ソフトランディングを阻む状況にもなりかねない。米財政悪化も表面化している以上は米国債利回りの上昇にも限界が必要であろう。その上、原油価格の上昇が伴うと日米欧間の為替バランスにも変調をきたす恐れがあり、余りにも好悪材料が飛び交う状況だけに、ポジションの縮小を余儀なくされる相場展開でもあり、レンジ幅での売買が強調されても不思議ではないだろう。
▼サブプライム問題も燻っている状況には変わりがないが、米国要人(連銀総裁)は米サブプライム問題が沈静化しており、悪影響は及ぼさないと言明し、そして、日本側でも口裏を合わせるように、渡辺財務官がサブプライム問題は終止符を打たれたと軽視しているが、実体が掴みきれていないのが現状と考えるが、既にラトIMF専務理事らなどがサブプライム問題は他の分野に波及する可能性を指摘しており、信用力に欠けるサブプライムローン問題には、数多くのヘッジファンドが関与しているとも言われ、見方は分かれているのが現状である。先週末の2月の米中古住宅販売が予想を上回る強い内容となったことで、住宅関連に安心感が出たのだろうが、それほど安易に状況判断を下すことは出来ないと見るべきであろう。本日の2月米新築住宅販売件数が改善されたとしても、一過性の米ドル買いになる可能性は高いと判断するが、サブプライム問題を抱えている以上は、とりあえずは、住宅関連は山あり谷ありが続くと思われるが、当面はポジションの調整に全力を注ぐことが賢明であろう。
▼シカゴIMM先物通貨においては、円ショートの推移に変化は見られないが、原油価格が上昇基調にあり、有源国通貨と高金利通貨に集約される相場と化しているが、ユーロドルも1.34前後からの上値の重さがあり、ユーロ圏内でも、再び過度なユーロ高を牽制する動きも散見され、特にユーロ円高に関しては、再び論議を呼び起こすことも予想され、過度な円安期待は禁物と言うのが正解かもしれない。キャリートレード再燃の話題が表面化した時には、同時にキャリートレード解消の動きも生じているぐらいの警戒心で臨むことが賢明であろう。
****今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)****
作成年月日 2007年3月25日(日)週末の終値ベース
先週はキャリートレード再開の噂もあり、円安基調ではあるが、米ドルの売られすぎの傾向が見られる。先週末には弱冠米ドルの買い調整が見られてはいるが、未だに不充分なレベルで推移している。相対的にはユーロドルの買われすぎが目立つ展開であり、チャート上ではユーロドル1.33台からの売りが強まる可能性を示している。欧州通貨全般とオセアニア通貨に対しても米ドルの買い調整が必要と考えられる。但し、ドル円は118円前後ではニュートラルなレベルで推移ししているため、動きを待ってからの始動が賢明であろう。
『通貨別チャートは各通貨をクリックしていただければ、ご覧いただけます』
新外為の森 US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱関係⇒米ドル買い
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)ユーロから見るドル円相場。
平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1072⇒0.1154
先週は116.65円の買いシグナルが点灯したが、今週は早くも118.10円でポジション解消売りが点灯しており、同レベルでは様子見継続中。
今週の乖離幅の試算=?1÷ユーロドル1.3285=0.7527 ?100÷ユーロ円156.90=0.6373⇒(0.7527−0.6373=0.1154)ドル円118.10
過去週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買いclose)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買いclose)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買いclose)→0.1370(121.50売り)→0.1319(121.00売り継続)→0.1093(116.85買い)⇒0.1180(118.30売りclose)⇒0.1072(116.65買い)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅33円 現状乖離幅38.70⇒38.80円)
先週の強めの売りシグナル1.3318から、下げ基調は見せているが、もう一段の調整売りシグナル1.3285が点灯している。過去週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2729売り→1.2510買いclose→1.2875売り→1.2511買いclose→1.3095売り→1.3335売り→1.2875買いclose→1.3169売り→1.3192売り→1.3115売り継続⇒1.3318売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(23.75⇒23.05円)
先週の売りシグナル0.7964から、一変して強い売りシグナル0.8048が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7676売りclose→0.7420買い→0.7509売りclose→0.7887売り→0.7787買いclose→0.7898売り→0.7737買いclose→0.7750買い→0.7872売りclose→0.7917売り→0.7810買いclose→0.7802様子見⇒0.7964売り
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅35.20⇒34.05円)
先週の売りシグナル0.6982から、今週は強めの売りシグナル0.7117が点灯中している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6179買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6615売りclose→0.6530買い→0.6680売りclose→0.7046売り→0.6876買いclose→0.6828買い→0.6975売りclose→0.7066売り→0.6910売り継続⇒0.6982売り継続中
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15円 現状乖離幅17.40⇒16.40円)
先週の強めの売りシグナル1.1753から、今週は一部買戻しのレベルに達してはいるが、弱めの売りシグナル1.1613が点灯している。
過去週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買いclose→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1725売り←1.1802売り→1.1855強い売り→1.1719売り→1.1627売り→1.1596買い→1.1773売り→1.1724売り→1.1753売り
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅15円 現状乖離幅6.80→4.55円)
ドル円118.10x2=236.20−ポンド円231.65=乖離幅4.55円
先週の売りシグナル1.9417から、今週は強め売りシグナル1.9615が点灯している。過去数週間の経緯は下記の通り。
1.9808売り→1.9553売り継続→1.9291買いclose→1.9736売り→1.1966売り→1.9499買いclose→1.9636売り→1.9105買いclose→1.9435売り→1.9324売り継続→1.9417売り
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅20.00⇒21.25円)
先々週はポジション解消の売りシグナル1.2349が点灯、先週は買いシグナルが1.2069で点灯していたが、今週は既に上昇を見せているが、1.2194で買いシグナルが継続中。
過去数週間後との売買シグナルは以下の通り。
1.2491買い→1.2533売りclose→1.2093買い→1.1933買い→1.2354売りclose→1.2532売り→1.2478買いclose→1.2364様子見→1.2328様子見⇒1.2166買い→1.2349売りclose⇒1.2069買い
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.45⇒11.00円)
乖離幅は縮小しているが、先週と同様に今週も豪ドル円売り/NZ円買いの状況。
強いシグナルではなく少な目のスタートが必要。過去の週間ごとの乖離幅は以下の通り。
9.30→11.80→16.00→13.00→15.35→16.00→15.40→14.90→17.10→15.40→13.90→10.55→9.90→12.25→10.85→9.95円→10.80←11.20→11.45→9.40→11.30→11.40→10.70→10.95→10.30→10.95→10.55⇒11.45円
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の月平均は2006年度2月258.80 3月257.83 4月260.42 5月255.44 6月259.28 7月262.43 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。 2007年度1月275.78円 2月278.66円(2月末はドル円121.00+159.35=280.35円の超円安を記録)3月からは急変し、271円、273.45、272円と続き、今週はキャリートレードの再開懸念から、ドル円118.10+156.90=275円とキャリートレードの再燃とは言い難いが、278円前後ではキャリートレード解消の円高警戒も必要である。
欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅71.15⇒74.75円』
先週の売りシグナル0.6859から、今週も引き続き売りシグナル0.6773が点灯している。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6818売り→0.6737買いclose→0.6795売り→0.6735買いclose→0.6775売り→0.6701買いclose→0.6567買い→0.6590売りclose→0.6787売り⇒0.6859売り
ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅58.70⇒60.05円』
先週はポジション解消の買いシグナル1.6073が点灯したが、今週は上昇を見せているが、チャート上では1.6200では様子見を示している。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.5811売り→1.5607買いclose→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.6088様子見→1.6189様子見→1.6253様子見→1.6195売り⇒1.6073買いclose
ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅33.20⇒37.95円』
先週は買いシグナルが2.3435で点灯していたが、今週は一気に上昇してはいるが、尚も買いシグナルが2.3918で点灯中。過去週間ごとの推移は以下の通り。
2.2621買い→2.3340売りclose→2.3495売り→2.3200買いclose→2.3615売り→2.3372買いclose→2.4645売り→2.4489買いclose→2.4566売り→2.4326買いclose→2.4208買い→2.4235売りclose→2.3644買い→2.3862売りclose⇒2.3435買い
***************************************
各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりもご覧になれますのでご参照ください。
新外為の森 http://kentish.fc2web.com
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。HPより各通貨別のチャートをご覧いただけます。
***************************************


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

ニュースクラウド