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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル!もう一段の上昇期待と急落局面?US$↓

★乱高下を繰り返しながら、1月の最終週を迎えることになるが、日米欧とも特に悪材料は見当たらないが、金利優先の相場展開とは言いながら、反面、円安の天井感も見え隠れする段階でもあり、過度な円安期待にも慎重にならざるを得ない状況でもある。
月末31日にFOMC金利政策発表が控えており、俄かに米経済減速懸念による利下げ説から利上げ説まで視野に入るなど、かなりアバウトな利上げ動向とも言えなくはない。
原油価格の落ち着きが、インフレ懸念を急速に低下させていることを踏まえれば、日米欧と金利据え置きの体勢が整いつつあるが、異常な超低金利である円利上げ動向さえも不透明感が漂っており、2月相場も再び金利先行の相場観が要求される。
月末の米FOMCに始まり、7日には金利据え置きが予定される豪ドル、8日にはユーロ圏及びBOEの政策金利上、そして、21日には再度利上げ先送りで物議を呼びそうな円金利となれば、円キャリートレードの続行にも大きく影響を与える局面でもあり、さらに、各要人発言も激化することか予想されるため、難易度の高い相場展開が見込まれる。
▼31日のFOMCにおける政策金利発表が第一ハードルになるが、金利は据え置きながらも声明文に強く反応する相場であり、一言一句まで気を配る展開ではあるが、原油価格の動向如何では利上げを示唆するような発言はあるにしても、財政削減努力が米経済の課題でもあり、米経済の台所事情と面子を差し引きすれば、利下げには言及しない程度の声明文になると考え、比較的ニュートラルな声明文になる可能性もあるだろう。
相場自体がかなり神経質な展開が予想されるが、いずれにしても、方向感に欠ける米ドル主導の相場であり、瞬間的には100ポイント以上の振幅が生じる可能性もあると思われ、仮にそのような動きが生じた際には逆張り戦術にも妙味が生じる相場ある。
同日には米第4四半期GDPが発表されるため、ある程度の方向性を確認してからのポジション構築に徹することも良策であろう。その後にポールドソン財務長官の議会証言(為替報告書及び米中戦略経済気)もあるが、GDPとFOMCに挟まれた証言でもあり、ある程度は無視しても良いと思われる。 そして、金曜日には重要指標である米雇用統計にも関心が集まるが、GDP及びFOMC後の流れでもあり、改善期待はあるが、相場には限定的と思われる。次なる争点である貿易不均衡(円安問題)も含めて、2月9日のG7財務相・中央銀行総裁会議に関心が注がれると思われるが、現状では中国人民元が大きな壁である状況では、未だに円安批判には限定的な圧力としかならないだろうが、確実に過度な円安状態に陥っていることは否定出来ない相場である。
▼シカゴIMM通貨先物の円ショートが急増しており、史上最高の円ショート164,860には驚異を感じさせるが、未だに反転の兆しが見られない状況であり、想像以上に円キャリートレード促進している証でもある。本邦の機関投資家と共に海外勢のファンド系の積極的な参加もあり、円キャリートレード手法を組み入れることが、安定的な運用利回りの風潮になっている恐れもある。 IMMポジションだけでは判断はしかねるが、日銀及び財務省のキャリートレード牽制も徒労に終わる可能性はあるが、再三の警鐘でもあり、全体的にはポジションの縮小を一考することが賢明であろう。
*****今週のペットでも判る簡単チャート*********
作成年月日2007年1月28日(日)週末の終値 事前予想実施中
円キャリートレードの影響もあり、米ドルの買い志向が強まっているが、売られすぎの展開から、早くも買われすぎの展開に突入している。現時点でも米ドル売り局面になっているが、122円前後からの米ドルショート、そして1.28台半ばからの米ドルショートならばリスク的には限定される相場である。調整の米ドル買いは続行される可能性は高いため、もう一段の上昇を待ってから上記のレベルで米ドル売りを勧める。
新外為の森 HP内US$チャート(ユーロドル/ドル円)米ドルの強弱⇒米ドル売り
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1352→0.1370)
先週の強めの売りシグナル121.25円から一時的には円高局面となったが、再度売りシグナルが121.50で点灯中。今週の乖離幅の試算=ユーロドル1.2918=ユーロ円156.95→(0.7741−0.6371=0.1370)過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.0958(114.00買い) →0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い)→0.1153(117.25売り)→0.1177(117.60売り)→0.1111(116.55買い)→0.1314(119.65売り)→0.994(115.85買い)close→0.1280(118.85売り)→0.1308(120.35売り)→0.1352(121.25円売り)
ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅30円 現状乖離幅35.90→35.45円)
先週の弱い売りシグナル1.2961から下値を探る展開であるが、今週も1.2918の様子見レベルに達している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2729売り→1.2510買い→1.2875売り→1.2511買い→1.3095売り→1.3335売り→1.3081売り継続→1.3134売り継続→1.3202売り継続→1.3005売り(一部買戻し)→1.2875買いclose→1.2925様子見→1.2961弱い売り
豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅(25.50→27.50円)
先週の売りシグナル0.7898から、逆に買いシグナルの領域に達している。現状では弱い買いシグナル0.7737が点灯中。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7318買い→0.7432買い継続→→0.7676売り→0.7537買い→0.7420買い→0.7509売りclose様子見→0.7887売り→0.7838売り継続→0.7891売り継続→0.7787買いclose様子見→0.7835弱め売り→0.7898売り
NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅36.95→36.90円)
先週の0.6953の様子見から変化は見られず、今週も0.6963で様子見が継続している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6422売り→0.6179買い→0.6395買い→0.6550売り→0.6375買い→0.6615売り→0.6530買い→0.6680売りclose→0.6877売り→0.6894売り継続→0.7000売り→0.7046売り継続→0.6876買いclose→0.6905様子見→0.6953様子見
カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅17.85→18.55円)
先週の強い売りシグナル1.1726から、今週は要警戒レベルの売りシグナル1.1802が点灯している。週間ごとの売買シグナルは下記の通り。
1.1099買い→1.1229買い→1.1376売りclose様子見→1.1088買い→1.1207買い→1.1298売りclose→1.1195買い→1.1258売りclose→1.1379売り→1.1262買い→1.1195買い→1.1297売りclose→1.1578売り→1.1655売り→1.1725売り→1.1726売り継続。
ポンド(ドル円x2−£円 平均乖基準離幅20円 現状乖離幅3.20→4.85円)
ドル円121.50x2=243.00−ポンド円238.15=乖離幅4.85円
先週の売りシグナル1.9736から、今週は弱めの売りシグナル1.9601が点灯している。 過去数週間の動きは1.9808売り→1.9553売り継続→1.9522売り継続→1.9597売り継続→1.9300売り(一部買戻し)→1.9291買い→1.9589売り弱め→1.9736売り。乖離幅の経緯は16→13→17→21→17→10→13→15→17→14→17→15→13←11.70→10.70→12.30→7.70→2.20→5.20→4.90→4.80→8.30→4.95→3.20円。 
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅24.15→24.55円)
先週の様子見レベル1.2487に続き今週も大きな変化は見られないが、弱めの売りシグナルが1.2532で点灯している。過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.1981買い→1.2306買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2552売りclose→1.2366買い→1.2509買い→1.2606売りClose→1.2728売り→1.2594買いclose→1.2491買い→1.2533売りclose→1.2093買い→1.1933買い→1.2188買い→1.2354売りclose→1.2472様子見→1.2487様子見継続
豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅11.45→9.40円)
乖離幅縮小し、先週の弱い豪ドル円売り・NZ円買いから、今週は利益確定の豪ドル円買い・NZ円売り局面に突入しており、ポジション解消局面。過去の週間ごとの乖離幅経緯は9.30→10.80→11.80→13.95→14.60→16.00→15.45→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→15.40→13.90→10.55→9.90→11.20→10.75→12.40→11.75→11.90→12.25→12.40→11.65→11.55←10.85円→9.95円→10.80←11.20→11.45円。
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(260円以下は円高&270円以上は円安の目安)
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61円 9月266.51円 10月268.38円 11月268.68、12月273.05円。新年度1月の推移は276円→272.85円→275.90円→278.40円。
今週はドル円121.50+ユーロ円156.95=278.45円と史上最高レベルをキープ。
● 欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離70円 現状乖離幅82.15→81.20円』
先週は0.6567で弱め買いシグナルが点灯していたが、今週も0.6590で弱い買いシグナルが点灯している。過去の売買シグナルは以下の通り。
0.6974売り→0.6748買い→0.6818売り→0.6737買い→0.6795売り→0.6735買い→0.6690様子見→0.6775売り→0.6752売り継続→0.6701買い→0.6705様子見→0.6737様子見→0.6739様子見→0.6598弱い買い→0.6567弱い買い 
ユーロスイス『平均乖離54円 現状乖離幅60.05→60.00円』
先週の1.6184の様子見に続き、今週も1.6189で様子見継続している。
週間ごとの売買シグナルは以下の通り。1.5811売り→1.5607買い→1.5815売り→1.5905売り→1.5945売り→1.5835買いclose→1.5901様子見→1.5974様子見→1.6010様子見←1.6088様子見→1.6068様子見→1.6119様子見
ポンドスイス『平均乖離35円 現状乖離幅45.10→44.25円』
先週は強めの売りシグナルが2.4645で点灯していたが、週半ばではポジション解消2.4489の買いに達したが、今週は再び2.4566の売りシグナルが点灯している。過去の週間ごとの推移は以下の通り。2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い→2.3615売り→2.3824売り→2.3372買い→2.3638様子見→2.3844様子見→2.4430売り→2.4645売り→2.4489買いclose

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各通貨別チャートは新外為の森ホームページよりご覧になれますので、ご参照ください。
新外為の森 
★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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