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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

新興国通貨が深刻化!読み切れない展開へ?

予想レンジ
ドル円     110.50〜111.80
ユーロ円    128.30〜129.80
ユーロドル   1.1530〜1.1680
豪ドル円    79.30〜80.80

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市場の関心は、ここ最近の新興国の通貨安現象や貿易戦争に焦点が集まっているが、米国とカナダのNAFTA交渉は合意に至らず、暗礁に乗り上げた感があるが、一部報道で9月⒌日に再交渉に臨む旨が伝えられている。また、トランプ大統領が9月6日に期限を迎える2000億ドル規模の中国輸入品に対する制裁関税措置の発動を支持すると発表しており、相対的にリスク回避の動きが強まると共に、ドルを買い戻す動きが優勢になっている。

一方、ドル円は新興国通貨の急落に伴い、安全資産の円買い需要が増しているが、ただ、ドルを買い戻す動きが上回っており、短期筋としても、ドル円の下値トライには慎重になっており、引き続きレンジ幅ドル円110.50〜111.80円重視で待機策に努めることが賢明であろう。

他方、ユーロドルは特筆すべき買い材料もない中、イタリア情勢に対する懸念やポンド安も加わり、戻り売りに圧される格好でユーロドル1.16を割り込んでいる。ただ、依然として、主要通貨の中ではリスク回避の受け皿になっており、加速的な下落局面は描きづらい状況にある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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