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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドルの下落も限定的!逆張り・ナンピンシナリオを積極的に!

先週の米ドル売りの流れが本物になるか、見極めたい週である。
米景気後退が来年度以降に見込まれており、米経済指標が軒並み悪化傾向にある状況下では米ドルの上値の重さは否定出来ないマーケットである。今週は主なビックイベントはないが、直近の米住宅関連の落ち込みから判断しても、米8月の新築住宅販売件数、そして米第二四半期GDPに関心は注がれるだろう。 
そして、日替わりメニュ−のようにFRB理事及び各地区連銀の要人発言が予定されており、予断が許せない状況が続くため、売買レンジ幅を拡大し、少なくとも100~150ベーシスポイントの動きを想定し、逆張り及び有効的なナンピンシナリオも考慮したい。そのためには少ない金額から始める分散投資が原則であり、投資レートの平均値を高める方法が効果的であろう。

▼FOMCの利上げが見込めない以上、当面利上げが確実視されているのはユーロ圏でもあり、金利面ではユーロが一歩リードする情勢であるが、先週は独ZEW景況感指数が期待値より大幅に悪化しており、その上、原油価格の落ち着きが各国のインフレ抑制、そして金利動向にも変化をもたらすことにも繋がり、米経済指標のみならず、ユーロ圏の経済指標にも注意を払いたい。
相対的にはレンジ相場が継続されると判断するが、ユーロドルの上昇も1.28台半ば以上の上値の重さがあり、米ドルの下落を考慮しても、ユーロの上値を追う展開には疑問が生じる。ドル円は117円台からの上値の重さがあり、116円を割れる展開が期待されるが、同時に利益確定と115円台の値ごろ感から買いもあるため、米ドル売りが加速される状況とは思えず、投機的な売りが先行しても115円台半ばではポジションの清算シナリオが望まれる。又、円キャリートレードのタイミングとしても、同レベルの円売りも想定すべきであろう。

▼先週のシカゴIMM先物通貨(投機筋)における円ショートが未だに9万枚を維持している。先週は円高傾向が強まり、基本的には円ショートの残高も手仕舞いに向かうとも思われたが、円ショートの高水準が逆に無気味さを感じさせている。FOMCの利上げ据え置きと共にこう着状態が続くが、一触即発のムードが消えないだけに、当面の乱高下は避けられそうにない。しかし、115円を割れるような展開でもなく、ドル円ロングは115円台に限定すれば、リスクは限定的であろう。

******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********作成年月日 2006年9月24日(日) 週末の終値ベースで事前予想実施中
チャート上では米ドルはこう着状態であるが、米ドルの買い局面に移行している。乖離幅の拡大初期でもあり、もう一段の米ドル売りが生じた際にチャンスが巡ってくる。
US$チャート。No.7(ユーロドル−ドル円) 米ドルの強弱を参照。
新外為の森HP内)http://kentish.fc2web.com
ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅0.1000 現状乖離幅0.1177→0.1111)
乖離幅試算=ユーロドル1.2785−ユーロ円149.00(0.7822−0.6711=0.1111)
先週の売りシグナル117.60から、引き続き弱めの売りシグナルが116.55で点灯中。チャート上では115円台半ばレベルではポジション解消の買いを示している。
過去の週間ごとの乖離幅と売買シグナルは以下の通り。
0.1210(118.30売り)→0.1234(116.60売り)→0.0870(113.80買い)→0.1133(116.50売り)→0.1165(114.50売り)→0.0958(114.00買い)→0.1095(116.15売り)→0.0982(114.45買い様子見)→0.1103(116.30様子見)→0.1064(115.80売り弱め)→0.1153(117.25売り)→0.1138(117.10売り)→0.1145(116.96売り)→0.1177(117.60売り)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅28円 現状乖離幅31.35→32.45円)
先週は弱めの売りシグナル1.2666であったが、今週は通常の売りシグナル1.2784が点灯している。
過去の週間ごとの経緯は下記の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り→1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い様子見→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り→1.2917売り→1.2510買い→1.2810売り→1.2756売り継続→1.2875売り→1.2720売り弱め→1.2824売り→1.2755売り弱め→1.2835売り←1.2672売り弱め→1.2666売り弱め

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅29.10→29.10円)
先週の様子見レベル0.7526から進展は見せておらず、今週も0.7503で様子見が続いている。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.7380買い→.0.7318買い→0.7432買い継続→0.7517売りclose→0.7536様子見→0.7524様子見→0.7676売り→0.7661売り継続→0.7595売り継続→0.7665売り→0.7537買いclose

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅38円 現状乖離幅39.65→39.45円)
先々週の買いシグナル0.6375から、先週は0.6628の弱い買いシグナルであったが、乖離幅の縮小もあり、今週はポジション解消の売りシグナル0.6615が点灯し、様子見に突入している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
0.6082買い→0.6334買い継続→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335
様子見→0.6179買い→0.6082買い→0.6114買い継続→0.6242買い継続→0.6251買い→0.6337買い→0.6395買い→0.6371買い→0.6550売りclose→0.6375買い→0.6628買い継続

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅14円 現状乖離幅12.55→12.25円)
先週は買いシグナルが1.1195で点灯していたが、今週も引き続き買いシグナル1.1174が点灯している。
週間ごとの売買シグナルは下記の通り
1.1057買い→1.1099買い→1.1180買い継続→1.1010買い→1.1063買い→1.1229買い継続→1.1160買い→1.1282買い→1.1376売りclose→1.1318様子見→1.1276様子見→1.1248買い→1.1253買い継続→1.1088買い→1.1048買い→1.1207買い→1.1298売り→1.1195買い

ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅20円 現状乖離幅14.05→11.70円)
ドル円116.55x2=233.10−ポンド円221.40=11.70円 
先週の売りシグナル1.8805から、更に強めの売りシグナル1.8996が点灯中。
過去の乖離幅の経緯は以下の通り。
乖離幅30円前後から10円まで縮小しており、10円を割ってくると強い売りシグナルが点灯する。最近の乖離幅の経緯は13→16→13→17→21→17→10←13円と乱高下している。乖離幅の売買目安=乖離幅30円→1.74、25円→1.780、20円→1.8250、15円→1.86、10円→1.90レベル。

スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅23円 現状乖離幅23.95→22.30円)
先週はポジション解消の売りシグナル1.2552が点灯したが、今週は再び弱めの買いシグナル1.2366が点灯している。
過去の週間ごとの売買シグナルは以下の通り。
1.2261買い→1.1981買い→1.2165買い→1.2250買い→1.2088買い→1.2306買い→1.2234買い→1.2432売り→1.2333買い→1.2394買い→1.2307買い→1.2475買い継続→1.2552売りclose

豪ドル円/NZドル円裁定取引平均基準乖離幅10.00円)現状乖離幅10.55←0.35円)
最大乖離幅17.15からは急速に縮小している。先週は乖離幅が規準値レベルまで縮小していたが、今週はポジション解消のレベル10.35円に達し、ポジション解消売買(豪ドル円買い/NZ円買い)に転じている。
9.30円→10.80→10.75→11.80→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→15.45→13.95→13.00→14.40→15.35→16.00→15.40→14.90→17.15→16.05→15.40→13.90→14.05→13.60→10.55

単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&265円以上は円安の目安) 
過去の経緯2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44
6月平均259.28 7月平均262.43円 8月263.61
今月に入り円安基調が顕著に見られる。今週は149.00+116.55=265.55円と円安圏で推移している。9月の週間推移は267.40(過去最高)→265.15→266.55と円安警戒水準である。

欧州通貨ペア
ユーロポンド『平均乖離68円 現状乖離幅72.20→72.40円』
先週はポジション解消の買いシグナルが0.6735で点灯していたが、今週も変わらず、0.6730で様子見が続いている。
過去の売買シグナル0.6941売り→0.6974売り→0.6939売り→0.6915売り→0.6924売り→0.6922売り→0.6748買いポジション解消→0.6731様子見→0.6818売り→0.6759売り継続→0.6737買い様子見→0.6795売り→0.6735買いclose

ユーロスイス『平均乖離50円 現状乖離幅55.30→54.75円』
先週1.5905の売りシグナルから、今週も1.5809で売りシグナルが継続している。
過去の売買シグナルは以下の通り。
1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5744売り→1.5607買い→1.5702売り→1.5726売り→1.5751売り継続→1.5815売り→1.5818売り継続→1.5808売り継続→1.5796売り←1.5808売り継続→1.5905売り

ポンドスイス『平均乖離28円 現状乖離33.85→32.90円』
先週の強めの売りシグナル2.3615から通常の売りシグナル2.3490が点灯中。
過去の週間ごとの推移は以下の通り。
2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2742買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2,2779売り→2.2621買い→2.2683売り→2.2975様子見→2.3340売り→2.3495売り→2.3200買い様子見→2.3388売り様子見→2.3447様子見→2.3264様子見→2.3615売り

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新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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