難易度高まるも円売り志向後退!?
トルコ中銀が大幅な利上げを実施する中、他の新興国も通貨安防衛手段として、金利引き上げ競争に参加しているが、相対的にはインフレ抑制を踏まえた悪い金融政策との声も少なくなく、依然として、潜在的なリスク回避志向は根強く、市場は安全通貨である円買い及びドル買いに傾斜し、ドル円は一時102円割れの展開をみせるなど危機感を強めている。
一方、FOMCでは事前予想通りに縮小規模を100億ドル決定したことにより、相場全般は落ち着きを取り戻しているが、反面、NYダウ平均株価が189ドル安と反落しており、ドル円相場にとっては神経質な展開を余儀なくされている。一応、ドル円は利益確定買いに圧されて102円台前半まで買い戻されているが、103円台の上値の重さが意識される中、再びリスク回避志向が強まれば、ドル円100円前後も視野に入れる日も近いかもしれない。
他方、米債券利回りはリスク回避を背景に足早に2.70割れと低下傾向を強めており、日米金利差縮小が円買い材料になっている。ただ、量的緩和縮小により、米債券利回りの低下に歯止めがかかる可能性が高く、円を積極的に買い上げる状況ではなく、当面、ドル円は101〜103円のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。