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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ジメジメ相場が続く、円高の夏は遠のいた?ハリーケーン相場へ!

● 今週の見通し
先週のバーナンキFRB議長の議会証言からは、来月のFOMC利上げの可能性も消滅したと見るのが妥当であろうが、米ドルの下落基調のペース次第では、状況が一変するぐらいの備えは常に必要である。一般的には住宅関連の減速が顕著であり、米経済指標
にも蔭りが見られる。米景気減速懸念が確実視され、さらに、景気先行指数でもある米長期債10年物も5%割れ寸前まで追い込まれた状況から、利上げ観測が後退せざるを得ないのが現実である。

▲ 但し、これだけの悪材料が揃い始めても、米ドルの下げが限定的であり、地政学的リスクの緊張度から、高金利通貨でもある米ドルへの回帰も早まる情勢だけに、依然として、米ドル主導の相場であり、又、米国依存の世界経済である以上は、米ドルの下落余地も限定的な段階である。

▲各国主要通貨の利上げも囁かれているが、実際に米金利格差が如実に縮小しない限りは、米ドルの下げも限定的であり、当面は米ドルの下落余地もドル円115円割れとユーロドルは1.27台後半までが精一杯の感は強い。いずれにしても、米ドル離れと米ドル回帰が交互に押し寄せる段階でもあり、一喜一憂する局面ではなく、適宜な範囲での利益確定と損失確定を設定することが望ましい相場と判断する。
米経済の強さを堅持しつつ、米ドル安容認を目論んだ米金融政策の舵取りに翻弄されないようなポジション形成が必要であり、ポジションの拡大は絶対に避けねばならない。

*******今週のペットでも判る簡単チャート『事前予測実施中』*****
作成年月日 2006年7月23(日) 週末の終値ベースで予測
先週の米ドル売りの調整で、相対的には米ドル、日本円、そしてユーロのバランスが取れ
ている状態である。ある程度は歪み矯正が終了しており、米ドルの方向感を確認する状況で
ある。臨機応変に対処する相場であるが、方向を見極めるまでは少なめのトレードが賢明な
相場である。No.7US$参照 (US$の強さを検証)

ドル円 (ユーロドル⇔ユーロ円) 平均乖離幅0.0950 現状乖離幅0.1098→0.1095
終わってみれば先週の売りレベル116円台台前半まで戻りが見られ、当面は117円台では売りシグナルも強いものがある。今週も再び116.15で売りシグナルが点灯している。
ユーロドル1.2695−ユーロ円147.45円(0.7877−0.6782=0.1095)
過去の週間乖離幅とドル円売買シグナルは下記の通りである。
0.1203(ドル円売り117.50円)→0.1210(ドル円売り118.30)→0.1234(ドル円売り116.60)→0.0870(ドル円買い113.80)→0.0969(ドル円113.95様子見)→0.1041(ドル円売り115.15円)→0.1133(ドル円売り116.50)→0.1165(ドル円売り114.50)→0.0958(ドル円買い114.00)→0.1098(ドル円売り116.10)
(No.8参照 ドル円)

ユーロドル(ドル円−ユーロ円)平均乖離幅25円 現状乖離幅30.80→31.30円
先週の売りシグナル1.2653から、途中経過では1.25台前半までの下値も覗いたが、今週も
1.2695で売りシグナルが点灯中、瞬間的な乖離幅縮小もあり、買いの目安として1.25レベル
前後として臨むことも必要である。 過去一週間ごとの売買シグナルは次の通り。
1.1940売り→1.1878買い→1.2045売り→1.1911買い→1.2190売り←1.2030買い→1.2269売り→1.2096買い→1.2627売り→1.2729売り→1.2921売り→1.2778売り←1.2742売り→1.2917
売り→1.2640売り→1.2644売り→1.2510一部買戻し→1.2810売り→1.2653売り=一部買戻し
は1.26割れからスタート。No.1ユーロドル参照

豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅 28.60→28.75円
先々週0.7517でポジション解消売りがあり、その後は様子見が継続中。先週からも動きは少
なく、今週は0.7524で様子見である。
最近の週間ごとの経緯は 0.7380買い→0.7318買い→0.7432買い継続中→0.7517売り様子
→0.7536様子見(No.2豪ドル参照

NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅37円 現状乖離幅44.00→43.65円)
引き続き買いシグナルが0.6242で点灯中。徐々に買戻しが見られるが、最近の経緯から0.63前後では一部利益確定の売りも検討したい。
週間ごとの売買シグナル=0.6082買い→0.6334買い→0.6380買い→0.6422売りポジション解消→0.6200様子見→0.6335様子見→0.6300弱い買い→0.6179買い→0.6082買い→0.6091買い→0.6114買い→0.6210買い(NZドルNo.3参照

カナダドル(ドル円−カナダ円 平均乖離幅15 現状乖離幅13.20→14.05円)
先週は1.1282の買いシグナルから、1.13台のポジション解消売りを推奨したが、早くも1.1376売りシグナルまで達しており、ポジション解消し、様子見に転じている。
過去の週間ごとの買いシグナルは
1.1057→1.1099→1.1180→1.1065→1.1010→1.1063→1.1229→1.1229→1.1160→1.1132→1.1282→1.1376売り closed
(カナダドルNo.4参照

ポンド(ドル円x2−ポンド円 平均乖基準離幅25円 現状乖離幅18.75→16.40円)
ドル円116.15x2=232.30−ポンド円215.90=乖離幅16.40円
先週は売りシグナルが1.8385であったが、途中経過でも見られるように乱高下が激しく、順次利益確定が臨まれるタイミングである。今週は再び売りのチャンスが訪れており、売りシグナ1.8588が点灯している。
先週までの乖離幅の流れの推移は30円→25円→20円→15円→10円→13.45→15.90→13.25→17.20→21.20→17.35←17.05→18.75円 ちなみに乖離幅によるポンドレートの売買の目安は
30円=1.7400、25円=1.780、20円=1.8250、15円=1.86,10円=1.89である。
(ポンドNO.5 参照
  
スイスフラン(ドル円−スイス円 平均乖離幅25円 現状乖離幅22.00→22.25円) 
大きな変動は見られず、今週も先週の1.2338で買いシグナルから、ほぼ変わらず、買いシグナル1.2369で継続中。週ごとの買いシグナルの推移は以下のとおり。1.24台では一部利益確定も検討すべし。
1.2261→1.1981→1.2165→1.2250→1.2088→1.2306→1.2309→1.2487→1.2233である。
(スイスフラン No.6参照) 

豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅10.00円 現状乖離幅15.40→14.90円
先々週16円の乖離幅に最大乖離幅の様相を示しており、15円台の乖離幅であれば、リスクも限定的な売買シナリオを検討したい。豪ドル売り/NZ買いを継続中。
過去の週間推移は以下の通りです。
9.30→10.75→11.80→11.90→13.95→13.05→13.80→14.60→16.00→15.45→13.95→13.60→13.00→13.85←14.40→15.35→16.00→15.40円
(オセアニア通貨No.9参照) 
単純加算方式 ユーロ円+ドル円(250円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
先週はドル円116.10+ユーロ円146.90=263円と円安圏に再突入。
今週はドル円116.15+ユーロ円147.45円=263.60円と円安ゾーンへ。円買いは厳禁
ユーロ円売り/ドル円売りもリスク限定局面へ。
2月平均258.80 3月平均257.83 4月平均260.42 5月平均255.44 6月平均259.28

● 欧州通貨ペア(週間毎の過去の経緯)
ユーロポンド(平均乖離65円 現状乖離幅66.55→68.45円)
先週は0.69台の売りシグナル0.6882へと久方ぶりに0.68台に突入し、今週は0.6830の買いシグナルでポジション解消となり、現状では様子見である。
直近の売りシグナルは0.6941→0.6974→0.6939→0.6915→0.6924→0.6922→0.6922→0.6921
そして、買いシグナル0.6789から、売りは0.69台、買いは0.68前後が一応の目安
(Euro/GBP No.10参照)

ユーロスイス(平均乖離50円 現状乖離幅52.80→53.55円)
先週1.5611の売りシグナルから乖離幅が拡大中、今週は1.5702の売りシグナルが点灯中
過去の週間ごとの経緯は1.5717売り→1.5775売り→1.5811売り←1.5742様子見→1.5725様子見→1.5744売り→1.5653売り→1.5607買い様子見→1.5544様子見→1.5613売り→1.5621売り→1.5646売り→1.5670売り→1.5611売り
Euro/CHF NO.11参照

ポンドスイス(平均乖離25円 現状乖離25.25→28.10円)
先週は2.2683の売りシグナルでポジション解消したが、乖離幅が急拡大しているが、チャート上では2.2992でも様子見が継続中。
過去の週ごとの経緯は2.2986売り→2.2763買い→2.2641買い→2.2846売り→2.2670買い→2.2614買い→2.2795売り→2.2694買い→2.2865売り→2.2742買い→2.2651買い→2.2779売り様子見→2.2612買い→先週2.2639買い→2.2683売り様子見へ
GBP/CHF No.12参照

新外為の森 参照★ 本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願い致します。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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