ドル円99円前後で一進一退!戻り買い優先?
先のバーナンキFRB議長の発言を受けて、米当局が量的金融緩和の早期縮小に踏み切るとの懸念が後退する中、米株式市場では、NYダウ平均株価が前日比169ドル高反発に転じており、約1カ月半ぶりに1万5460ドルと過去最高値を更新している。その中、米長期金利が低下傾向を示しており、日米金利差拡大懸念がやや和らいだことを受けて、ドル円の戻りも鈍くなっている。ただ、株高を背景とした円売り志向も根強く、ドル円は99円前後で一進一退の展開を強いられているが、目先は米景気回復期待を背景に再びドル円100円台を目指す展開が予想されるだけに、ドル円98円台からのショートは自重することが賢明であろう。
一方、米財務省が発表した6月の財政収支は1165億ドルの黒字で、黒字幅は6月としては過去最高となり、市場予想(395億ドル黒字)を大幅に上回っている。米QE3の縮小懸念が遠ざかっている以上、引き続き株価の堅調が予想されるだけに、ドル買いニーズは更に強まりつつある。
他方、ユーロ圏では、ECBのマイナス金利導入も含め、早期の利下げ観測が高まっており、ユーロドルの反発は限定的との見方が大勢を占めている。それ故に、依然として、ユーロの戻り売りが優先されやすい環境にあるが、ただ、既に、ユーロドルは下限レベルまで下落している関係上、1.3000割れでは随所にポジション調整買いが散見されており、下値も限定的と言わざるを得ず、当面、1.2900〜1.3200のレンジ幅で売買を模索することが一考であろう。