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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円80円台意識も、調整段階!戻り売りに注意?

夏季休暇で市場参加者の少ない中、相対的に米景気先行指数が予想を上回ったことを背景に、円安基調が強まると共に、改めてドル円80円台を意識させる展開になっているが、急ピッチの上昇に違和感も生じており、実需や利益確定売りが79円台半ば以上では随時散見されるだけに、一方的な上昇には繋がりそうにもない。
一方、ユーロドルは一時1.22台まで下落していたが、メルケル独首相はユーロ危機に関して正しい方向に向かっており、より迅速に解決に向かわなければならないとし、ドイツはECBを支持している旨を強調したことから、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏各国の国債利回りに上限を設定し、これを上回った場合は市場で国債を購入することを検討していると報道されており、 ECBが国債介入を実施するとの観測が高まりから、ユーロドルは1.23台まで戻している。ただ、ドイツ連銀をはじめ反対派も根強く、ECBが国債介入に踏み切れるかは依然として不透明である。また、ショイブレ独財務相が、ギリシャは経済が縮小し、「非常に厳しい状況」にあるとし、ギリシャへの新たな支援プログラムの可能性を否定しているため、ユーロの買い戻しは限定的になっている。
他方、円安基調が強まるにもかかわらず、豪ドルなどの有資源通貨が対ドルで続落している。市場には既に過熱感を背景に、買われ過ぎの傾向があっただけに、結果的には利益確定売りに圧された格好であるが、ドル円の底堅さがある以上、当面、下値は限定的と見なすのが無難であろうが、ドル債券利回りの上昇と共に、円キャリートレードを解消する動きもあり、戻り売りに徹することが一考であろう。

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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年8月19日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.2140 現状乖離幅0.2261→0.2086(A)100÷98.05=1.0199−(B)1÷1.2326=0.8113⇒0.2086。先週の弱い買いシグナル78.25から上昇に転じており、ポジション解消売り伴い、今週は売りシグナル79.55が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、80円前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(78.50〜79.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 19.00円 現状乖離幅 17.95→18.50円
先週の弱い買いシグナル1.2294から若干上昇しているものの、今週は通常の買いシグナル1.2326が点灯している。中期チャートにおいては、弱い買いシグナルが点灯しており、1.22台半ば前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2400〜1.2450)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.00円 現状乖離幅 4.50→3.55円
先週の強い売りシグナル1.0575から急落しており、今週は通常の売りシグナル1.0421が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、1.05台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0200〜1.0300)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 17.50円 現状乖離幅 14.55→15.35円
先週の強い売りシグナル0.8141から下落を速めており、今週は売りシグナル0.8070が点灯している。中期チャートにおいても売りシグナルが点灯しており、0.81台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7900〜0.8000)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 −0.75→−0.95円
先週の買いシグナル0.9905から若干下落しているが、今週も引き続き買いシグナル0.9882が点灯している。中期チャートにおいても、買いシグナルが点灯しており、0.98前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0000〜1.0050)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.00円 現状乖離幅 44.55→45.25円
先週の売りシグナル1.5693から若干下落しており、今週はポジション解消買いを伴い、様子見1.5688が点灯している。中期チャートにおいては売りシグナルが点灯しており、1.58前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★様子見

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −3.00円 現状乖離幅 −1.85→−2.10円
先週の様子見0.9769から若干下落しているが、今週は売りシグナル0.9743が点灯している。中期チャートにおいては、様子見が点灯しており、0.98台以上からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9550〜0.9600)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.50円 現状乖離幅 19.05→18.70円
乖離幅は若干縮小しており、今週は短期チャート・中期チャート共に様子見が点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→18.00→17.75→17.50→18.00→17.75→17.60→17.60→17.35→17.35→17.85→17.80→18.00→18.70→18.75→18.70→19.05→18.70円★様子見

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度上半期平均は196.75円、2011年下半期は185円。2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月平均189.40円、5月平均181.70円、6月平均179.35円。7月平均177.20円、8月第1週175.75円、第2週174.75円、そして、今週はユーロ円98.05+79.55=177.60円へと円高圏内で推移している。(目安*180円以下は円売り局面⇔190円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 25.00円 現状乖離幅 26.60→26.75円
先週の買いシグナル0.7834から若干上昇しているが、今週も引き続き通常の買いシグナル7857が点灯している。中期チャートにおいては、引き続き買いシグナルが点灯しており、0.78割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.7950〜0.8000)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 16.00円 現状乖離幅 16.30→16.10円
先週の様子見1.2010から変化はなく、今週も様子見1.2009が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、依然として、1.1900〜1.2100のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.00円  現状乖離幅 42.70→43.15円
先週の売りシグナル1.5331から若干下落しているが、今週も引き続き売りシグナル1.5285が点灯している。中期チャートおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、1.54前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5050〜1.5150)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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