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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ上昇に過熱感!1.24台以上からのロング自重局面?


米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が16.3万人と予想(10万人増)以上の増加を示したことから、市場全般でリスク選好の動きが強まり、ドル売りと円売り志向が強まっている。反面、失業率は8.2%から8.3%と1ポイント低下しており、NFPの数値ほど楽観視できる状況には無いが、結果的には先のECB理事会後のドラギ総裁会見に対するユーロ失望売りが相殺された格好となり、ユーロドルは1.24台を回復している。
今回の雇用統計でもって、FRBが早期に量的緩和策(QE3)を実施する向きは後退しているが、欧州の財政情勢を横目にしながら、次回のFOMC(9月)に委ねられことになる。
一方、スペイン政府がEUに全面支援を要請するのではとの観測が高まっていることも、ユーロを買い戻す動きに繋がっているが、現時点では自律反発とは言い難い外部環境であり、1.25台を意識させる状況ではなく、1.24台半ば前後からのロングは自重局面にあると言わざるを得ない。
他方、ドル円は米雇用情勢の改善を受けて、円売り志向が強まっているが、依然として、78円台後半では実需売り、そして、79円台では新規売りが散見されており、78円台半ば前後で一進一退の展開を強いられているが、NYダウのは反発の流れを引き継ぎ、日経平均株価が上昇基調にあるため、ドル円の下値は限定的になっている。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年8月05日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)平均乖離幅 0.2020 現状乖離幅0.2227→0.2211(A)100÷97.25=1.0283−(B)1÷1.2389=0.8072⇒0.2211。先週の弱めの買いシグナル78.45から変化はなく、今週は様子見に近い弱い買いシグナル78.50が点灯している。中期チャートにおいては、逆に弱い売りシグナルが点灯しており、依然として,77.50〜79.50円のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(79.00)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 21.00円 現状乖離幅 18.15→18.75円
先週の弱めの買いシグナル1.2314から上昇しており、今週は弱い買いシグナル1.2389が点灯している。中期チャートにおいても、ほぼ様子見が点灯しており、1.2200〜1.2500のレンジ相場を形成している。★売りターゲット(1.2400〜1.2450)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 0.50円 現状乖離幅 3.60→4.50円
先週の強めの売りシグナル1.0484から更に上昇しており、今週は強い売りシグナル1.0573が点灯している。中期チャートにおいても強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味生じている。★買いターゲット(1.0000〜1.0100)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 17.50円 現状乖離幅 14.95→14.20円
先週の強めの売りシグナル0.8094から更に上昇に転じており、今週は強い売りシグナル0.8191が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、現状レベルからのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.7800〜0.7900)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 1.50円 現状乖離幅 0.25→0.05円
先週の買いシグナル1.0032から若干下落しているが、今週も引き続き強めの買いシグナル1.0006が点灯している。中期チャートにおいても、弱めの買いシグナルが点灯しており、1.000割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.0150〜1.0250)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 45.00円 現状乖離幅 45.00→44.15円
先週の売りシグナル1.5736から下落に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.5650が点灯している。中期チャートにおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.58前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.5600)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −4.00円 現状乖離幅 −1.95→−2.45円
先週の弱めの売りシグナル0.9757から若干下落しており、今週は弱い売りシグナル0.9697が点灯している。中期チャートにおいては、弱めの売りシグナルから様子見に移行しており、0.9500〜0.9900のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(0.9650)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 17.00円 現状乖離幅 18.70→18.75円
乖離幅には変化はないものの、今週は短期チャート・中期チャート共に様子見が点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→18.00→17.75→17.50→18.00→17.75→17.60→17.60→17.35→17.35→17.85→17.80→18.00→18.70→18.75→18.70円★様子見

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度上半期平均は196.75円、2011年下半期は185円。2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月平均189.40円、5月平均181.70円、6月平均179.35円。7月第1週180.90円、7月第2週177.55円、7月第3週176.20円、7月第4週は173.95円、7月第5週は175.05円、そして、今週はユーロ円97.25+78.50=175.75円へと円高圏内に位置している。(目安*180円以下は円売り局面⇔190円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 24.00円 現状乖離幅 26.85→25.60円
先週の買いシグナル0.7825から上昇しており、今週は弱めの買いシグナル0.7916が点灯している。中期チャートにおいては、引き続き買いシグナルが点灯しており、0.78前後からの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8000〜0.8100)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 17.00円 現状乖離幅 16.20→16.30円
先週の様子見1.2015から変化はなく、今週も様子見1.2014が点灯している。中期チャートにおいても様子見が点灯しており、1.1900〜1.2100のレンジ相場を形成している。★様子見

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 41.00円  現状乖離幅 43.05→42.65円
先週の売りシグナル1.5354から下げ足を速めており、今週は弱めの売りシグナル1.5177が点灯している。中期チャートおいても、売りシグナルが点灯しており、1.55前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.4950〜1.5050)

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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