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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

米ドル過小評価の段階に突入?

●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2009年8月23日(日)

先週は中国の株式動向に翻弄された相場展開であるが、同時にリスク回避志向の強弱が右往左往しており、総じて、ドルが迷走状態にあるが、結果的にはドルの過小評価が拡大されており、今週はドルの反動には要注意であろう。
●主要3大通貨(ドル、ユーロ、円)ドル円は強い売買シグナルは発生していないが、当面93~96円のレンジゾーンに位置しており、94円割れからの押し目買いに妙味が生じている。ユーロドルは1.43台に上昇したことでドルの過小評価の段階に達している。先週に引き続き1.41台半ば割れから押し目買いと1.43台半ばからナンピン売りに妙味が生じている。
●オセアニア通貨裁定取引は、日足と週足では逆相関を示しており、見極めの難しさに直面している。当面、乖離幅13円割れと16円台以上での裁定売買が有力視されている。
●欧州3大通貨は、ポンドとユーロドルは均衡状態にあるが、スイスフランが対ドルでも強含んでいるように、欧州3通貨の中では高値圏で推移している。スイスフランのロングに警戒信号が点灯している。
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ドル円 ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅0.000 現状乖離幅−0.0181→−0.0383
A)1÷1.4322=0.6982(B)100÷135.20=0.7396(A−B=−0.0414)
先々週の売りシグナル97.50円から下げ足を速めている。先週は弱めの買いシグナル94.80円が点灯していたが、今週も引き続き弱めの買いシグナル94.40円が点灯している。週足チャートにおいては、通常の買いシグナルが点灯しており、94円割れからの押し目買いに妙味が生じている。
(売りターゲット95.50〜96.00)

ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅33円 現状乖離幅 39.80→40.80円
1.4100から1.4300のレンジ相場を形成している。先週の売りシグナル1.4196から再び上昇に転じているが、今週は強めの売りシグナル1.4322が点灯している。週足チャートにおいては引き続き強めの売りゾーンで推移している。
(買いターゲット1.3750〜1.3900)

豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅27円 現状乖離幅 15.45→15.65円
0.83台で強めの売りシグナルが継続している。先週の強めの売りシグナル0.8318に続き、今週も強い売りシグナル0.8342が点灯している。高いレベルでのレンジ相場を形成しており、0.8150割れから押し目買いと0.8350からナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット0.7700〜0.7900)

NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅42円 現状乖離幅 30.60→30.00円
豪ドルと同様に、強い売りシグナル0.67台から継続している。先週の0.6774からさらに上昇しており、今週はかなり強めの売りシグナル0.6822が点灯している。0.6600割れの買いと0.6800台からナンピン売りに妙味が生じている。
(買いターゲット0.6200〜0.6400)

カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅15円 現状乖離幅 8.55→7.30円
1.07台の強い買いシグナルから、先週は一時1.1000に接近する勢いであったが、先週の買いシグナル1.0991から再度下落に転じており、今週は強い買いシグナル1.0838が点灯している。(売りターゲット1.1300〜1.1400)

ポンド(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅50円 現状乖離幅 62.00→61.40円
1.70前後から急速に下げ足を速めているが、先週の強めの売りシグナル1.6537に続いて、今週も強めの売りシグナル1.6504が点灯している。週足チャートにおいては通常の売りシグナルゾーンにあり、少なめからのナンピン売りに妙味が生じている。(買いターゲット1.5700〜1.5950)

ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅12円 現状乖離幅 6.45→5.15円
先週の強めの買いシグナル1.0724から、下げ足を速めており、今週はかなり強い買いシグナル1.0577が点灯している。
(売りターゲット1.1100〜1.1300)

オセアニア通貨裁定取引 
平均乖離幅15円 現状乖離幅 14.65→14.35円
先々週の16円台から乖離幅が縮小しており、先週は乖離幅14.65円で弱めの豪ドル円買い/NZ円売りが点灯していたが、今週も同様に14.35円レベルで推移している。14円割れからの始動に妙味が生じているが、ただし、週足チャートでは、逆に通常のAUD売り/NZD買いシグナルが点灯しているため、乖離幅の縮小を一考する必要がある。過去の週間ごとの主な経緯は以下の通り。
15.45→11.65→4.95→7.95→8.25→9.20→10.45→9.75→11.35→12.15→13.75→15.40→14.55→15.85→16.25→15.55→15.40→15.40→16.50円→16.75→15.35→16.10→14.00→14.85→15.35→16.50→16.00→14.65→14.35円

単純加算方式 ユーロ円+ドル円 
(目安*220円以下は円高⇔235円以上は円安)
2006年度平均260円、2007年度平均279円、2008度四半期毎の平均は263.04→266.95→269.80→221円。2009年度1月平均は211.80円、2月平均211円、3月平均224.50円、4月平均は230.60円、5月平均は229.10円、6月平均は231.60円、7月平均は226.90円と円高水準であるが、8月第一週は235.65円と円安圏へ突入、先週は229.50円。そして、今週はユーロ円135.20+ドル円94.40=229.60円と平衡状態にある。当面の目安は225と235円からの始動が賢明である。

欧州3大通貨
ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離20円 現状乖離幅 22.20→20.60円
先々週の0.8491と先週の0.8585と様子見が継続していたが、今週は弱い売りシグナル0.8678が点灯している。当面、0.87台からのショートに妙味が生じている。(買いターゲット0.8550~0.8600)

ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離44円 現状乖離幅 46.20→45.95円
先週のポジションン解消買い1.5223から様子見に転じているが、今週は下落局面にあるが、依然として、様子見1.5148が点灯している。(様子見)

ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離64円  現状乖離幅 68.40→66.55円
先週はポジション解消買い1.7733で様子見レベルに達したが、今週は更に下げ足を速めており、弱い買いシグナル1.7457が点灯している。
(売りターゲット1.7700~1.7750)

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★本ペットチャートは常に3〜5段階の少な目の分散投資戦略をお勧めします。最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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