円売り介入期待強まる!ドル円78円割れの段階ではユーロ円にも?
昨日発表された米新規失業保険申請件数が悪化したことや、中古住宅販売件数も予想を下回るなど、米経済指標に脆弱性が見られたことから、相対的にドルの戻り売り志向は強まっている。
一方、欧州債券市場では、スペインの地方財政の悪化が深刻化すると共に、同国債利回りがユーロ導入来の最高を記録するなど、市場全般にリスク回避の動きが強まる中、格付け会社ムーディーズが最上位にあるドイツ・オランダ・ルクセンブルグ国債などが中期的にはネガティブするとの見通しを発表、理由づけとして、これら上位国の財政状況が支援の財政負担を最も受ける見通しであるとの報道を受けて、ユーロを積極的に買い戻す動きは鈍くなっている。また、ショイブレ独財務相が議会に対して、スペイン支援を承認するよう述べているが、スペインの持続可能な支払い能力が脅かされているとの認識が高まる中、市場にはユーロ危機が更に拡大するとの憶測が先行していることもユーロ売りを助長させている。
他方、ドル円は78台半ば近辺での一進一退が続いているが、78円台半ばを割り込んだことにより、下値警戒感は更に強まりつつあるが、本日も安住財務相が為替動向を一層の緊張感を持って注視すると再三再四述べているように、現状レベル78円台半ば割れでは覆面介入の噂があると同時に、78円割れの段階では政府・日銀の円売り介入実施の可能性も指摘されているだけに、円を積極的に買い急ぐ志向は削がれつつある。