方向感出ず、ドル円78円台半ば、ユーロドル1.21前後で一進一退?
先週はユーロ圏財務相が最大1000億ユーロのスペイン銀支援を決定したにもかかわらず、ユーロは対ドルで2年ぶり、そして、対円でも11年ぶりの安値圏に突入している。
スペインのバレンシア州が中央政府に支援を要請すると発表したことにより、スペインが欧州連合(EU)に支援要請を余儀なくされるのではとの懸念が強まると共に、スペイン政府が2012〜13年の成長見通しを引き下げたことなどがユーロ売りの圧迫材料になっている。
そして、スペイン国債利回りは過去最高水準レベルまで上昇、相対的にリスク回避の動きが優先される中、株式及び原油価格も利益確定売りに圧される恰好となっており、ユーロドルは節目と見られていた1.22割れとなり、ストップロスを招いた格好で1.21割れ寸前まで下落しており、一部では、早くもユーロドル1.2000割れを意識せざるを得ない相場環境にあると言う声も少なくない。ただ、IMM通貨先物市場におけるユーロショートが高止まりしている現状を踏まえると、更にユーロ売りを仕掛ける難しさにも直面している。
一方、ドル円は消去的な円買いが伴い、78円台半ば割れを試す展開になっているが、78円前後では日銀の円売り介入、そして、78円台前半では覆面介入の噂が広がっている関係上、更に下値をトライする機運は後退しつつあるが、同時に、79円台では実需及び利益確定売りが散見されており、上値の重さが意識されているため、週明けのドル円相場は78円台半ば前後で一進一退の展開が予想される。