ドル円78円台ショート自重!ユーロ1.23台で戻り売り優先?
バーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長が前日の上院銀行住宅都市委員会に続き、下院金融委員会で証言したが、証言内容は前日の内容を踏襲しており、市場への影響は限定的である。その中、米6月住宅着工件数が市場予想を上回り、同6月建設許可件数は市場予想を下回る強弱まちまちの結果である。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、多数の地区で回復ペースの鈍化が示されたものの、為替市場の反応は限定的になっている。
一方、債券市場では米国債価格が上昇、10年債利回りは再び1.5%割れまで低下しており、依然として、米経済減速や欧州債務危機への懸念を背景に、リスク回避の動きは根強い相場環境には変わりがなく、ドル買い及び円買い志向に傾斜しがちの相場形態になっている。他方、欧州圏では、メルケル独首相は欧州が成功することに楽観的としながらも「欧州の計画が機能するかは確信できない」との見解を示したほか、アスムセンECB理事が「独憲法裁判所が違憲と判断すれば、ESMは失敗となる」との見方を示したことが嫌気され、一時ユーロドルは1.22割れ寸前まで下げ足を速めていたが、その後、欧州ソブリン系の買い観測や堅調な米株式市場に支えられる恰好で、1.22ドル後半まで買い戻されるなど、依然として、不安定極まりない相場展開が続いているが、直近のチャート分析においても、1.22割れが底値圏に位置しており、リスク回避の動き以上に利益確定買いやユーロショートの買い戻しが優先されていると判断するのが順当であろう。