ドル円安定飛行!ユーロは乱気流の最中、右往左往?
バーナンキFRB議長の議会証言では景気回復と雇用改善促進に一段の行動を取る用意と再度表明したものの、追加金融緩和策(QE3)に踏み込むほどの内容ではなかったことから、一時、ユーロ売りが強まり、ユーロドルは1.22割れまで下落した局面もあったが、その後、バーナンキ議長は、雇用の改善に向けた動きは「いら立たしいほど遅い」ものになる可能性が高いとし、金融当局には景気浮揚に向け行動する用意があるとあらためて表明したことを受けて、NYダウの反発を促すと共に、原油価格が上昇したことなどから、急速にユーロが買い戻されるなど、一進一退の展開を強いられている。
一方、ドル円は終始79円前後で推移しているが、依然として、欧州債務危機を背景としたリスク選考型の円買い需要は根強いものの、反面、安住財務相が日本経済に悪影響を及ぼす過度な変動に対しては、必要な時には必ず断固たる措置を取ると述べ、為替介入も辞さない構えを示していることから、安易にポジションを取りきれない状況が続いている。
他方、米債券市場では、過去最低付近まで低下していた債券利回りは、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言を受けて、上昇基調にはあり、ポジション調整主体のドル売りや円売りが優先されているが、欧州債券市場におけるスペインやイタリアの債券利回りの高止まりがある以上、ECBによる追加緩和策が講じられるとの観測は根強く、ユーロの買い戻しは限定的と判断し、当面、1.23台以上からのロングは自重することが一考であり、戻り売りを軸とした戦略性が求められるだろう。