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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ下落基調強まる!下値目途模索する展開?

世界的な景気減速傾向が強まツと共に、日米欧の追加的金融緩和策に期待が寄せられているが、今週に入っても新興国のブラジル、そして、韓国が利下げに踏み切っているが、豪州においても、昨日の雇用統計の悪化を背景に、8月の利下げ観測が再浮上するなど、世界的な利下げ競争が激化している。それ故に、依然として、リスク回避の動きには収束感は見られず、投資家の間では安全志向である米ドルや円買いに傾斜せざるを得ない相場環境になっている。
一方、ユーロは対ドルで一時1.22割れと約2年ぶりの安値圏に突入しているが、反面、急ピッチの下げ基調に対して警戒感も強めているため、一方的な下落は回避されているが、昨日は、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるオランダ中央銀行総裁は、ユーロ圏経済が引き続き悪化した場合、ECBが0.75%を下回る水準にリファイナンス金利を引き下げる可能性を指摘するなど、反発材料が皆無に近い状況であり、依然として、戻り売り優先の展開を強いられている。
他方、ドル円は日銀が量的緩和を見送ったことやリスク回避志向も加わり、下値圧力が強まっているが、依然として、79円割れでは円売り介入のみならず、実需や利益確定買いが随時散見されているため、下値トライには至っていないが、79〜80円のレンジ幅で注視するしか策はないだろう。
その他では、世界経済の減速懸念が先行する中、本日発表される中国の4-6月期GDPに注目が集まっている。中国の金融緩和を背景にして、数値自体にネガティブな結果を予想する向きが少なくなく、結果次第では更にドル買い及び円買い走る可能性は無視できないが、反面、リスク回避相場と言え、過度なドル高・円高が疑問視されており、現状レベルからのドル及び円ロングは自重することが賢明であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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