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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

手掛かり難!ドル円・ユーロ戻り売り顕在?

昨日発表されたFOMC議事録は、景気を下支えする措置として、国債の追加買い入れを選択肢と考えているものの、経済情勢が更に悪化しないかぎり量的緩和第3弾(QE3)は実施されないとの見通しが優先される中、市場はドル買いに傾斜している。その中、ユーロドルは、議事録公表後に一時2年ぶりの安値圏である1.22台前半まで売られているが、ただ、ユーロは年初から約5.5%下落している関係上、アジア系中銀などの大口の買いオーダーも観測される中、ポジション解消買いなども手伝い底堅い展開を見せている。しかしながら、依然として、市場のコンセンサスは戻り売り優先の展開を強いられている現状では、ユーロの反発は限定的と言わざるを得ない。
一方、ドル円は79円割れの段階では日銀のレートチェックの噂なども流れていただけに、円を積極的に買う動きも後退しており、79円台半ば割れでは実需や値ごろ感の買いが観測される中、底堅い動きになっている。
他方、本日の日銀決定会合において、政策金利は据え置かれるだろうが、先の日銀短観が市場予想を上回った関係上、新たな追加緩和策は見送られる公算が高く、相場自体を動意づける環境ではないだろう。ただ、米6月雇用統計の下振れリスク、中国の景気減速懸念、欧州財政危機の再燃などを踏まえて、世界的な金融緩和の流れを無視するわけにもいかず、日銀が資産買入等基金の増額などに踏み切る可能性は十分考えられるため、株高を踏まえた円売りも見込まれるため、相対的に、ドル円の下値は堅調と判断した方が無難であろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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