ドル円固定相場の感!ユーロ波乱相場継続?
スペイン10年債の利回りが7%台に上昇したことを受けて、欧州債務危機に対する懸念が更に強まる中、欧州では域内債務危機に歯止めをかける措置について協議が続けられている。その中、欧州中銀ECBは先の理事会で0.25%引き下げ、過去最低水準となる0.75%とし、下限金利の中銀預金金利もゼロ%まで引き下げたばかりであるが、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は景気見通しが必要性を示す場合は、ECBは追加利下げの選択肢を排除しない考えを示唆するなど、ユーロは上値の重い展開を強いられている。
一方、米雇用統計の脆弱性を背景に、米国で量的緩和第3弾(QE3)が実施される可能性が高まっているため、ユーロショートを解消する動きも散見されているが、ユーロドルの買い戻しの動きも、値ごろ感の買いにとどまっており、反発は限定的になっている。
他方、中国国家統計局が9日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇したものの、2年5カ月ぶりの低い伸びとなり、世界的な経済減速懸念が高まる中、リスク回避の動きと共に、安全資産であるドルと円を買い戻す動きは優勢であるが、ドル円は米雇用情勢の悪化や欧州財政危機が渦巻く中、リスク回避の円買いと政府日銀の円売り介入に挟まれ、79円台半ば前後で微動だしない状況に陥っており、ドル相場自体の妙味は剥落していると言わざるを得ない。