米雇用統計に過剰期待禁物?
経済の活性化に向けて、世界的な金融緩和策が進行する中、昨日、ECBは政策金利を現行1%から0.25%引き下げ、0.75%としているが、政策金利面においては、日本が0.1%、そして、米国が0.1〜0.25%の超低金利政策を強いられているように、端的には、欧州経済の深刻化を背景にすれば、ECBの利下げ余地が残されているとも解釈できる。市場のコンセンサスも、金融機関への流動性資金確保のためには、更なる金融緩和が実施されるとの見方が優勢であるため、ユーロの戻りは限定的になっている。
一方、本日は米6月雇用統計の発表に、より注目が集まる。先の4月と5月の雇用統計が予想より悪化している関係上、米雇用情勢の先行き懸念は払しょくされていないが、事前予想では、非農業部門雇用者数が10.0万人増と前月(6.9万人増)からの増加幅の拡大が見込まれており、また、失業率も8.2%と前月水準が見込まれている。また、昨日の米6月ADP全国雇用者数が17.6万人増と予想(10.0万人増)を大幅に上回る中、新規失業保険申請件数や米6月ISM非製造業景況指数における雇用指数が強めの数値になった事を受けて、今晩の米雇用統計に対する期待がやや高まりを見せている。とは言え、既にドル買い優先の展開と化しており、仮に、事前予想よりも悪化するとなれば、一気にドル売りを誘発させる可能性も高いだけに、レンジ幅を通常よりも拡大して、逆張り待機で臨むことがリスクは緩和されるだろう。