ドル買い優勢もドル円80円台が重石!ユーロ1.25割れでは利食い局面?
米国市場が休場のため、主だった動きはないものの、英金融大手バークレイズのLIBORでの不正操作問題が取り沙汰される中、相対的にポンドの圧迫材料となったことを嫌気され、ユーロ売りが誘発されるなど、ユーロは上値の重い展開を強いられている。
一方、本日、欧州中央銀行(ECB)が定例政策委員会で利下げを決定するとの観測が先行していることもユーロ売りを誘引しているが、昨日発表されたユーロ圏総合景気指数の改定値では、サービス業と製造業を総合した経済活動の縮小が確認されるなど、ユーロを手仕舞う動きが優先されている。ただ、1.25割れでは、ユーロショート解消や利益確定買いなどの買い戻しも散見されているだけに、一方的なユーロ売りには繋がりにくい相場環境にある。また、欧州債券市場では、ドイツ政府は5年債の入札を実施したが、旺盛な応札需要があった反面、フランスは2012年の修正予算案を閣議決定し、目標とする財政赤字削減のために72億ユーロの新税を盛り込むことを発表したことが嫌気され、フランス債利回りは上昇に転じている。また、他の重債務国であるスペイン及びイタリア債利回りも若干上昇するなど、依然として、安全資産であるドイツ債に人気が集中するなど、リスク選考型のマーケットと化している。
一方、ドル円は日経平均株価が順調に推移しているため、79円台半ば割れでは底堅い展開が予想されるが、依然として、ドル円79〜80円のレンジ相場の域を脱する勢いはなく、相対的に妙味に乏しい相場環境にある。