手掛かり難否めず!直近のレンジで対応?
ユーロ圏の失業率が統計開始以降で最悪となったことが手掛かりに、ユーロは終始軟調に推移する中、欧州中央銀行(ECB)が5日の理事会において、政策金利を引き下げるのではないかとの見方が先行していることもユーロ売りを誘発している。また、米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業景況指数では、好不況の分岐点である50を割り込み、製造業活動がほぼ3年ぶりに縮小したことが嫌気されたことを受けて、相対的にリスク回避の動きが強まり、市場は安全資産であるドル買い・円買いに傾斜している。
一方、先週の欧州連合(EU)首脳会議での合意内容には多分に含みが残されているが、欧州安定メカニズム(ESM)による債券購入策については、フィンランドやオランダが反対の意向を示すなど、同会議の結果に対して不透明感が広がっていることも、金融市場全般を圧迫する材料となっており、ユーロを積極的に買い上げる姿勢も後退している。
他方、市場は、下半期入りした上に、明日は米国が独立記念日で休場となるほか、週末に注目の雇用統計が控えていることもあり、市場は全般的に動きづらい相場環境に陥っている。それ故に、本日も狭いレンジ幅での攻防が予想されるが、この一カ月間でドル円相場は78.50〜80.50円のレンジで一進一退であり、また、ユーロドルも欧州財政危機が日々論られる中、悪材料出尽くし感に伴い1.2450〜1.2750のレンジで推移している以上、当面、過度な乱高下は期待薄と言わざるを得ず、いずれの通貨も直近のレンジ幅で売買を模索するしか妙味はないだろう。