ユーロ1.25〜1.27レンジで一進一退!ドル円80円足固め?
格付け会社ムーディーズが複数の銀行の格下げを実施するとの噂や、ECBが来月7月の会合で政策金利を引き下げるとの思惑に加え、イタリアで2012年の財政赤字削減目標が未達になる可能性が示唆されるなど、ネガティブな話題が噴出したことを背景にリスク回避のドル買いを背景に、ユーロは失速気味に下落基調を強めている。
一方、スペイン中銀が民間の監査機関2社に依頼していた銀行の監査結果を発表。ストレス結果では最大620億ユーロの資本が必要とされているが、オリバーワイマンは基本シナリオによる資本不足は160億から250億ユーロ。そして、オーランド・ベルガーは518億ユーロの資本注入が必要との監査結果を発表している。結果的には先にユーロ圏が支援の合意をした最大1000億ユーロを下回っているが、市場の反応は限定的担っている。むしろ、スペインの2行の売却入札延期が発表されたことなどがユーロのポジション解消売りに繋がっている模様である。とは言え、ここ最近のユーロの買い戻し要因が、主にユーロショートの膨大な積み上がりに起因しているため、ある程度ポジション解消買いが一巡すれば、再度、ユーロ売りに傾斜し易い相場環境にある事は否めず、依然として、ユーロの戻り売りが優先されていると判断するのが順当であろう。
他方、本日開催されるEU財務相会合ならびに来週の28〜29日にEU首脳会談で改めて材料を模索することになるだろうが、NYダウの大幅な下落の影響を考慮すれば、相対的に株安・円高の構図が予想されるだけに、ドル円80円台が再び重石になる可能性は高く、ドル円及びクロス円は利益確定売りが優先される可能性が強まっており、もう一段の上昇局面ではナンピン売りで対応することが一考であろう。