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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ドル円底堅さ堅持!ユーロ円乱高下避けられず?

ギリシャは再選挙で第1党に立った新民主主義党(ND)主導の連立政権樹立で合意。深刻なリセッション(景気後退)に苦しむ国内経済の立て直しを目指し、国際支援条件の緩和に向けた再交渉団を早期に結成する方針を打ち出しているものの、市場には懐疑的との見方が先行しており、ユーロは上値の重い展開を強いられていたが、その後、メルケル独首相がEFSFでの国債購入について、協議もなく計画もないが、可能性はあると述べたことが伝わり、ユーロは底堅さを取り戻しつつある。
一方、連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、6月末で期限が切れる予定だった「ツイストオペ」を2012年末まで延長する方針を示す中、少なくとも14年末まで異例に低いFF金利正当化。景気回復支援に向け一段の措置を講じる用意があると表明した。
ただし、国際金融市場の緊張は引き続き著しい下振れリスクがあり、失業率はごくゆっくりとしか低下しないと予測している。また、バーナンキFRB議長がオペレーション・ツイストは長期金利を押し下げるとし、景気拡大は緩やかであるが、欧州問題が加わったことにより、経済に一段の支援必要なら追加資産買い入れを検討する旨を示唆している。市場はこの発言からQE3への期待感は若干後退しており、ドル及び円売りに傾斜している。
他方、ドル円は、先の野田首相の円高懸念を背景に底堅い展開であるが、米著名レポートでドル円の強気見通しが示されたことから、ドル円は79円台半ばまで上昇し、80円台を視野に円全面安の様相を見せている。
本日は、市場が注目しているスペイン情勢を巡りユーロ圏財務相会合が控えているが、同時に、スペインへの必要資本注入額の公表も控えているため、市場のコンセンサスはユーロの乱高下を想定しながら、結果を見極めたいとの思惑から、積極的な取引を手控えざるをえない相場環境にある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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