ユーロ試行錯誤が続く中!上昇に陰り、1.27台からのロングは自重局面?
昨日は特段の材料の無い中、G20サミットで欧州銀行同盟の必要性で合意を得たことや、ギリシャ緊縮策の緩和への期待なども加わり、ユーロショートの巻き戻しが優先されている。
一方、スペイン短期債入札が無難に消化され、欧州中央銀行(ECB)が証券市場プログラム(SMP)を通じてスペイン国債を購入しているとの噂も聞かれる中、メルケル独首相が改めて、G20ではスペインの銀行について協議した上、スペインは銀行支援を近く正式に要請する見通しとの見解を示し、また、ユンケル・ユーログループ議長が支援条件の大きな変更は不可能だが、時間軸の延長は可能かもしれないと指摘している事がユーロ買いを助長させている。ただ、その後、英某紙がメルケル独首相はEFSFを通して重債務国の国債購入を容認する方向と伝えていたが、ドイツ当局からG20ではEU支援基金を利用して債務国の債券を購入するという計画は協議されていないことを明らかにしたことから、ユーロドルの反発は限定的になっている。
他方、明日のFOMC声明において、直近の雇用統計を始めとした一連の米経済指標の鈍化により、景気刺激策が打ち出されるのではとの観測が強まる中、追加の金融緩和策が発表されるとの期待感もあり、全般的にドル売りが優先されている。また、欧州中央銀行(ECB)が、イングランド銀行(BOE)に習って、融資スキームのための資金設定を検討しているとの報道が伝わると共に、FRBはバランスシートを拡大してツイスト・オペを延長する公算との見通しが先行したことが材料視されたことがユーロ高・ドル売りに繋がっている。
しかしながら、ユーロへの危機感から、各方面から様々な憶測が飛び交っているのが現状であり、ユーロを積極的に買い上げる程の地合いにはなってはおらず、当面、ユーロドル1.27台以上からのロングは敬遠し、引き続き戻り売りを軸とした戦略を一考することが得策であろう。