ギリシャ再選挙で財政緊縮派勝利にユーロ反発!過剰反応?
注目のギリシャの再選挙を前にユーロショートを手仕舞う動きが優先される中、ギリシャ新民主主義党のサマラス党首(財政緊縮派)が率いる連立与党が勝利宣言したことを受けて、週明けのユーロドルは1.27台まで反発して始まっている。一応、市場は選挙の結果を踏まえて、応安堵感が広がってはいるが、今後、EU側がギリシャの財政緊縮策に対する監視強化を踏まえた上で、当面、各国中央銀行が金融市場に流動性を供給するとの観測が広がりつつある。とは言え、新民主主義党のサマラス党首は今回の選挙はユーロを取るかドラクマを取るかの選択であり、もし、敗北すればユーロを止めることになるだろうと過激的な発言をしているように、今回の財政緊縮派の勝利により、ギリシャのユーロ離脱と言う最悪シナリオは回避されるが、EU側からの支援が一枚岩ではないだけに、欧州財政危機は前途多難の一言に尽きるのが現状であろう。
一方、IMFはスペインについてのレポートを発表。現状の経済情勢の低迷では、あまりに急速な赤字削減策は実施すべきではないと述べる中、スペインの2012年の財政再建目標は達成できない公算が大きいとしている。また、1000億ユーロのスペイン銀救済コストは債務の持続可能性の観点から管理可能との見解も示している。その中、一部ドイツ紙が欧州連合(EU)は短期のユーロ共同債の導入を提案する可能性があると伝えているが、ドイツ政府側からの賛同はなく、一方的にユーロを買い上げる相場環境には至っていない以上、基本的にはユーロドル1.27台からのロングは自重することが賢明であろう。
他方、野田首相が欧州債務危機の収束にはユーロ圏諸国が一層の結束した取り組みを行うことが重要との認識を示した上で、為替市場で急激な円高が発生した場合には、今後、日本がドル買い・円売り介入に踏み切る可能性を強調している。単独介入の限界はあるとはいえ、当面、ドル円は相対的に底堅い展開で推移すると判断するのが賢明であろう。