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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ正念場!急落>上昇?

市場では17日のギリシャ再選挙に向けて様々な憶測が飛び交う中、ユーロショートを手仕舞う動きが優先されている。ギリシャの世論調査では反緊縮派の急進左派連合と新民主主義党が拮抗しているとの観測が強まっているが、ユーロ圏では、いずれの政党が誕生しても、ギリシャの財政再建には支障が生じることは間違いなく、せいぜいユーロ離脱懸念が緩和される程度との見解も少なくないが、ギリシャ急進左派連合(SYRIZA)の党首は昨日、ギリシャがこれまでに受けた国際支援の条件は破棄するとしながらも、ユーロ圏にはとどまるとの意向を示しており、ユーロドルは1.26台を回復している。
新民主主義党を中心に緊縮派の政権が誕生し、更に財政再建に関して、EUとある程度の妥協が成立すれば、ユーロ離脱のシナリオは当面は後退することになるが、緊縮策に強硬姿勢なドイツがどこまで歩み寄りを見せるかが注目されている。その中、各国中銀がギリシャ選挙後に必要に応じて協調的な流動性供給を行う準備を進めているとの報道や危機拡大阻止に向けた各国中銀による協調行動への期待感も手伝い、ユーロを買い戻す動きが優先されている。
一方、ギリシャのユーロ圏離脱に備えて、他のユーロ圏諸国は、その影響を回避するために対策を強化しているのも事実であり、また、スペインの金融不安への危機感も混在している関係上、依然として、ユーロドルは不安定な上昇局面と言わざるを得ないだろう。
他方、ドル円は、本日の日銀金融政策決定会合では金融政策の据え置きが予想される中、欧州情勢を見極めたいとの思惑から、相場への影響は限定的であろうが、79台半ばで身動きが取れない状況と判断し、当面、79〜80円のレンジ相場で待機するしか妙味はないだろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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