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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

スペイン国債利回り一時危機的レベル7%へ上昇!戻り売り優先の展開?

狭いレンジ相場が続く中、本日発表される米消費者物価指数が前月比で低下するとの見方が先行しているため、米連邦準備理事会(FRB)が追加刺激策を講じるとの観測が浮上したことを受けて、米ドルは、一時対主要通貨に対して弱含んでいたが、市場は週末のギリシャ再選挙を睨みながら、欧州財政危機を踏まえた安全資産のドル買い志向に傾斜しており、ドル円と同様に身動きが取れない状態が続いている。
一方、スペイン国債りまわりが、一時7%まで上昇する中、ドイツのメルケル首相はドイツ議会での演説で、どんなに困難な作業だとしても、欧州はより密接な政治統合を推し進める必要があるとの認識を明らかにしている。また、同首相は、規制を守らず債務が増え続けるという悪循環を断ち切ることが、我々の仕事であると強調、今後も辛く、痛みを伴う財政規律の強化には長い時間がかかることは承知しており、避けることはできないとも述べている。
穿った意味合いになるが、欧州危機を放置した責任は各国にあり、ドイツが今後も救済措置を講じたとしても、単なる延命措置にしか過ぎず、小手先の支援策ではドイツのみならず他の優良国も共倒れの危機に直面する可能性を示唆しているかもしれない。
他方、ユーロドルショートの膨大な積み上がりを背景に、過度なユーロ売り志向は後退しているとは言え、現時点では、ドイツの協力体制が整わない限りは、戻り売りに屈する可能性は高く、ユーロロングは自重局面にある。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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