ユーロ期待と不安が渦巻く!戻り売り優先の展開?
ユーロドルは週明けにはスペインの支援要請受け入れを好感し、一時ストップロスやショートカバーを巻き込みながら1.26台半ばまで買い戻されていたが、依然として、スペイン及びイタリアなどを取り巻く財務環境に対する不透明感は根強く、最終的には戻り売りに押された格好で1.25割れへとより一層不安感を募らせている。
現時点では、スペインの銀行への資本増強はギリシャと同様にEFSF債を通じて実施の公算が高まっているが、反面、ギリシャのようにスペイン債の既存保有者も劣後化するのではとの懸念から、国際通貨基金(IMF)、ユーログループ、そして、欧州中央銀行(ECB)から成るトロイカ調査団がそのプロセスを監視することを明らかにするなど緊張感を高めている。
一方、今週末にギリシャの再選挙が控えているため、市場のコンセンサスはギリシャのユーロ離脱を踏まえて警戒感を強めていることがユーロの上昇は阻んでいる要因であるが、ユーロ圏財務当局者は、ギリシャがユーロ圏離脱を決定した場合、ATM(現金自動預け払い機)からの現金引き出し額の上限設定やユーロ圏での資本移動の制限措置の導入などの対応策を検討していることが伝えられるなどギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びている。他方、ギリシャに関しては、既に成す術すべがないのとの見方が大勢であり、17日の選挙結果如何にかかわらず、ユーロの戻りは限定的と判断するのが無難であろうが、ユーロの財政危機を背景に世界的にも緊張感が高まっている相場環境である以上、何がしらの打開策が打ち出される可能性も否定できず、ユーロの乱高下は避けられない情勢にある。