スペイン支援要請でユーロ買い戻し急!ユーロ不安定な上昇局面?
スペインはギリシャ、アイルランド、ポルトガルに次いで、自国の銀行システム救済のため最大1000億ユーロの支援を受け入れ、ユーロ圏諸国の政府に支援要請を決定したことを受けて、週明けのユーロドルは一時1.26台後半へと急反発している。また、銀行救済のための資本増強に必要な資金の融通に限定することによって、スペイン政府に厳しい財政緊縮策を課すことは見送られる見通しであることもユーロの買い戻しが急がれている。
ただし、今週末にギリシャの再選挙を控えている関係上、ユーロを更に買い上げるリスクも存在しているため、かなり難解な相場展開を強いられている。
また、支援策自体が欧州金融安定ファシリティー(EFSF)か欧州安定化メカニズム(ESM)のいずれになるかは定かではないが、スペインの経済・競争力相によれば、資本を必要とする金融機関だけが融資を受け、その他の多くの金融機関は融資を受け取ることはない見通しであるが、反面、ギリシャと同様にスペインの財政危機の全体像が見えてこない以上、ユーロは不安定な上昇局面を迎えていると捉えた方が無難であろう。
一方、ドル円はクロス円の上昇や株式市場の堅調さも手伝い、ドル円80円台を目指す展開も予想されるが、今回のスペインの資金要請で欧州財政危機が一掃される訳でもなく、あくまでも段階的な円売り局面と言わざるを得ない。
他方、シカゴIMM通貨先物市場においては、ユーロショートの記録更新が続いているように、リスク回避によるユーロ売りが顕在化している中、現状では好材料が報じられれば、今回以上の反発も予想されるだけに、当面、1.25〜1.2700のレンジ幅で注視するしかないだろう。また、豪ドルショートも過熱気味に5万枚台へと膨れる中、対ドルで1.0000を回復しており、下値は限定的と判断するのが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年6月10日
▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.2000 現状乖離幅0.2263→0.2076(A)100÷99.25=1.0076−(B)1÷1.2500=0.8000⇒0.2263。先週の弱い売りシグナル78.05から上昇を速めており、今週は売りシグナル79.40円が点灯している。尚、中期チャートにおいては様子見から弱めの売りシグナルに移行しており、80円前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(78.00〜78.50円)
▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 24.50円 現状乖離幅 18.95→19.85円
先週の弱めの買いシグナル1.2428から上昇に転じているものの、今週は通常の買いシグナル1.2500が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、1.25割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(1.2650〜1.2750)
▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 2.00円 現状乖離幅 −2.45→−0.65円
先週の買いシグナル0.9686から上昇を速めており、今週は弱めの買いシグナル0.9918が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.9950〜1.0050)
▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 19.15→18.25円
先週の弱めの買いシグナル0.7546から上昇に転じているが、今週も引き続き弱めの
買いシグナル0.7702が点灯している。中期チャートにおいては、強めの買いシグナ
ルが点灯しており、0.76割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.7800〜0.7850)
▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.50円 現状乖離幅 3.05→2.15円
先週の弱めの売りシグナル1.0407から下落に転じているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル1.0278が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、1.0500前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.0150〜1.0200)
▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.50円 現状乖離幅 45.15→41.75円
先週の弱い売りシグナル1.5349から上昇しており、今週は弱めの売りシグナル1.5460が点灯している。中期チャートにおいては、引き続き様子見が点灯しており、1.5200〜1.5700のレンジ相場を形成している。
★買いターゲット(1.5400)
▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −5.50円 現状乖離幅 −2.70→−3.30円
先週の弱めの売りシグナル0.9666から若干下落しているが、今週も引き続き弱めの売りシグナル0.9601が点灯している。中期チャートにおいては、依然として、強めの売りシグナルが点灯しており、0.97前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(0.9500〜0.9550)
▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.50円 現状乖離幅 17.60→17.60円
乖離幅には変化はなく、今週は短期・中期共に様子見が点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→19.10→18.40→18.75→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→17.30→17.85→18.00→17.75→17.50→18.00→17.75→17.60→17.60円★様子見
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度は1月平均192.55円。2月平均195.30円、3月平均196.00円。4月平均203.80円、5月平均197.15円、6月平均195.60円、7月平均194円、8月平均187.70円、9月平均183.10円、10月平均181.95円、11月平均は182.70円。12月平均180.75円、2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月平均189.40円、5月平均181.70円、6月第1週は175.05円、そして、今週はユーロ円99.25+ドル円79.40=178.65円と円高圏内に位置している。(目安*180円以下は円売り局面⇔190円以上は円買い局面)
●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 20.00円 現状乖離幅 22.80→23.50円
先週の買いシグナル0.8097からほぼ変化はなく、今週も引き続き買いシグナル0.8086が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.80割れからの押し目買いに妙味が生じている。
★売りターゲット(0.8250〜0.8350)
▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 16.25→16.55円
先週の弱めの売りシグナル1.2012が点から変化はないものの、今週はポジション解消買いと伴い、様子見1.2001が点灯している。中期チャートおいても様子見が点灯しており、1.1900〜1.2200のレンジ相場を形成している。★様子見
▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 39.00円 現状乖離幅 42.55→40.05円
先週の強め売りシグナル1.4836から変化はなく、今週も引き続き売りシグナル1.4843が点灯している。中期チャートおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、1.49前後からのナンピン売りに妙味が生じている。
★買いターゲット(1.4500〜1.4600))
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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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