G7電話会議で進展見られず!探り合いの相場展開継続?
欧州債務危機の焦点はギリシャのユーロ離脱懸念からスペイン金融システム不安に移行する中、昨日は注目されたG7緊急電話会議を通して、ギリシャやスペインの財政危機に関して、各国は協調体制を確認したものの、具体的な共同声明は発表されていない。
その中、安住淳財務相が日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁の緊急電話会議終了後に財務省内で会見し、欧州債務問題についての認識をG7で共有したことを明らかにしている。そして、同財務相からは日本の現状を説明すると共に、株安と円高が日本経済に大きなダメージを与えていることを強調したほか、為替については昨年9月G7の合意事項を共有したいとの考えを指摘、特に他国からの異論はなかったと伝えられている。また、白川日銀総裁も更なる円高局面では介入を辞さないとの見解を示したことを受けて、膠着感を強めていたドル円は78円台前半から79円台に迫る勢いで反発している。
ただし、米欧も経済の脆弱性を踏まえて自国通貨安を重視しており、米欧側から協調介入を取り入れる相場環境ではないのが実態であり、日本政府・日銀の単独介入に対する効果は疑問視されているのが現状である。
一方、ユーロドルも一時1.25台半ば近辺まで反発したものの、スペイン情勢の深刻化を背景に1.24台半ば前後まで急落するなど、依然として、悪材料に反応し易い相場環境になっており、改めて1.25台の上値の重さが意識されている。
他方、スペイン経済の深刻化と共に、スペインでもギリシャと同様に、銀行預金引き出しの動きが広がりつつある中、他の欧州各国にも波及懸念が浮上している。そして、米国でも金融システム不安などを背景に、米経済に悪影響を及ぼす可能性が指摘されており、積極的に米ドルを買い戻す動きも後退しているため、現時点ではリスク回避の円買いが顕在化しているのが実状であり、当面、ドル円及びクロス円の上値は限定的と言わざるを得ない。