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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ売り一服!1.25台で試行錯誤も戻り限定的?

スペインの銀行不安やギリシャのユーロ圏離脱問題が渦巻く中、本日、主要7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁が欧州債務危機についての電話会議を実施する旨が報じられたことを受けて、市場関係者はG7において、何らかの救済措置が打ち出されるのではとの期待感と共に、ユーロショートポジションを一旦解消する動きが優先されている。
一部報道では、スペイン政府は銀行資本増強に向けた欧州全域での中央集権的な「銀行同盟」を支持する考えを示す中、ドイツがユーロ共同債や欧州安定メカニズム(ESM)による直接的な銀行への資金注入などの憶測もあるが、メルケル独首相はユーロ共同債には「いかなる状況下でも」同意しないと強固姿勢を堅持しており、本日のG7における電話会議で新たな打開策を見出せるかは疑問視されているのが現状である。それ故に、ユーロドルは1.25台まで回復しているものの、上値は限定的と判断した方がリスクは軽減されるだろう。一方、ドル円は政府・日銀の介入警戒感もあり、円買いが一服している。依然として、欧州財政危機及び米経済の減速懸念を背景にした円買い需要があるため、ユーロと同様に戻りは限定的と見た方が無難であろうが、本日のG7緊急会議の結果次第では反発の余地もあるため、当面、ドル円77.50〜79円のレンジ相場の範ちゅうで売買を模索することが賢明であろう。
他方、欧州財政危機に米経済の減速懸念が加わったことにより、円相場自体は相対的に欧米経済の脆弱性に左右される展開を強いられている。反面、市場はリスク回避目的を背景に、消去法的な円買い相場と化しているが、為替相場の原理原則からは、ドル円及びクロス円全般には反発(円売り)に警戒を要するレベルまで円高が進行している。おそらく、現時点(ドル円78円前後)での円売り介入の可能性はないが、ユーロ円を含めて、他のクロス円にも、円の買われ過ぎの傾向があり、総じて、ドル円の下値は限定的と判断するのが賢明であろう。
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●今週のペットでも判る簡単チャート(事前予測実施中)
作成年月日2012年6月03日

▼ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)
平均乖離幅 0.1800 現状乖離幅0.2041→0.2263(A)100÷97.00=1.0309−(B)
1÷1.2428=0.8046⇒0.2263。先週の売りシグナル79.65から下落を速めており、今週は弱い売りシグナル78.05円が点灯している。尚、中期チャートにおいては様子見が点灯しており、76〜80円のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(77.50円)

▼ユーロドル(ユーロ円−ドル円)
平均乖離幅 24.50円 現状乖離幅 20.05→18.95円
先週の様子見から下落に転じており、今週は弱めの買いシグナル1.2428が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、1.24割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(1.2500)

▼豪ドル(ドル円−豪ドル円)
平均乖離幅 2.00円 現状乖離幅 −1.95→−2.45円
先週の様子見0.9755から下落しており、今週は買いシグナル0.9686が点灯している。中期チャートにおいても強めの買いシグナルが点灯しており、現状レベルからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.9750〜0.9850)

▼NZドル(ドル円−NZD円)
平均乖離幅 16.50円 現状乖離幅 19.70→19.15円
先週の弱めの買いシグナル0.7531から若干上昇しているが、今週も引き続き弱めの買いシグナル0.7546が点灯している。中期チャートにおいては、強めの買いシグナルが点灯しており、0.75割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.7600〜0.7650)

▼カナダドル(ドル円−カナダ円)
平均乖離幅 0.50円 現状乖離幅 2.30→3.05円
先週の様子見1.0297から上昇に転じており、今週は弱めの売りシグナル1.0407が点灯している。中期チャートにおいては強めの売りシグナルが点灯しており、1.0500前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.0300〜1.0350)

▼ポンドドル(ポンド円−ドル円)
平均乖離幅 44.50円 現状乖離幅 45.15→41.75円
先週の弱めの売りシグナル1.5669から下げ足を速めており、今週は弱めの売りシグナル1.5349が点灯している。中期チャートにおいては、売りシグナルから様子見に移行しており、1.5200〜1.5700のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.5250〜1.5300)

▼ドルスイス(ドル円−スイス円)
平均乖離幅 −5.50円 現状乖離幅 −3.30→−2.70円
先週の様子見0.9602から若干上昇しており、今週は弱めの売りシグナル0.9666が点灯している。中期チャートにおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、0.97前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(0.9500〜0.9600)

▼オセアニア通貨裁定取引
平均乖離幅 18.50円 現状乖離幅 17.75→17.60円
乖離幅には変化はなく、今週は短期・中期共に豪ドル円買い・NZドル円売りが点灯している。過去の週間ごとの乖離幅経緯は以下の通り。15.95→15.55→15.85→15.75→17.60→17.75→18.75→19.05→18.75→18.75→17.75→19.10→19.10→18.40→18.75→18.75→18.65→18.30→18.70→18.45→18.50→18.65→18.95→19.00→20.00→19.45→19.50→18.90→17.95→17.25→17.30→17.85→18.00→17.75→17.50→18.00→17.75→17.60円★ターゲット(18.00円)

▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円
2007年度平均279円、2008度平均255円。2009年度平均224円、2010年度平均222.70円、2011年度は1月平均192.55円。2月平均195.30円、3月平均196.00円。4月平均203.80円、5月平均197.15円、6月平均195.60円、7月平均194円、8月平均187.70円、9月平均183.10円、10月平均181.95円、11月平均は182.70円。12月平均180.75円、2012年度1月平均175.95円、2月平均182.95円、3月平均191.30円、4月平均189.40円、5月第1週は184.30円、第2週は183.15円、第3週は179.95円、第4週は179.35円、そして、今週はユーロ円97.00+ドル円78.05=175.05円と円高圏内にあり、過度な円買いに黄信号が点灯している。(目安*180円以下は円売り局面⇔190円以上は円買い局面)

●欧州3大通貨比較
▼ユーロポンド ユーロ円―ポンド円
平均乖離 20.00円 現状乖離幅 25.00→22.80円
先週の買いシグナル0.7989から上昇しているが、今週も引き続き買いシグナル0.8097が点灯している。中期チャートにおいても買いシグナルが点灯しており、0.80割れからの押し目買いに妙味が生じている。★売りターゲット(0.8200〜0.8300)

▼ユーロスイス ユーロ円―スイス円
平均乖離 19.00円 現状乖離幅 16.75→16.25円
先週の様子見1.2019から変化はないものの、今週は弱めの売りシグナル1.2012が点灯している。中期チャートおいても弱めの売りシグナルが点灯しており、1.1900〜1.2200のレンジ相場を形成している。★買いターゲット(1.1950)

▼ポンドスイス ポンド円―スイス円
平均乖離 39.00円  現状乖離幅 41.85→42.55円
先週の強め売りシグナル1.5045から下げ足を速めているが、今週も引き続き売りシグナル1.4836が点灯している。中期チャートおいては、強めの売りシグナルが点灯しており、1.49前後からのナンピン売りに妙味が生じている。★買いターゲット(1.4550〜1.4650))

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本ペットチャートは3〜5段階の少な目からの分散投資をお勧めします。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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