消去法的に円買い進行!ドル円78円・ユーロ円95円割れでは介入警戒浮上?
スペインの金融機関を巡る懸念を背景にユーロは対円で11年半ぶり安値水準まで下落する中、対ドルでも約2年ぶり安値を更新するなど、ユーロ全面安に歯止めがかかりそうにない。また、スペインは最終的には外部支援を要請せざるを得ないとの見方がある中、スペイン国債利回りは過去最高水準レベルで高止まりしており、危険水域である7%も時間の問題との観測が強まっている。
一方、スペイン政府がバンキアを支援できなくなれば、IMFが支援を検討していると報じたこと受けて、ユーロ円は一時買い戻されたが、その後、IMFラガルド専務理事が、このような計画はないと報道を否定したことを受けて上げ幅を解消するなど、市場は神経質な展開を余儀なくされている。それ故に、相対的に戻り売りに圧され易い状況が続いており、当面、上値は限定的と言わざるを得ないだろう。
他方、ドル円は一連の米経済指標の弱含む中、米10年債利回りが1.56%と過去最低水準まで低下したことや本日の米雇用統計への警戒感が強まっている関係上、リスク回避の動きから、消去法的に円高に傾斜している。ただ、ドル円78円割れやユーロ円95円レベルでは政府・日銀の円売り介入への警戒色もあり、これからの一方的な円買いには警戒感が強まっている。
いずれにしても、市場は今晩の米雇用統計に関心が集まっているため、結果が出るまではドル円及びユーロドルも微調整で推移するであろうが、市場はユーロ債務危機に関わる材料に反応し易いだけに、米雇用統計の善し悪しだけでは、相場を動意づけるまでには至らないであろう。