ユーロ不安定な上昇局面!1.25前後から戻り売り優先?
欧州債務危機を背景にしたリスク回避の動きや米経済指標の弱含みなどがあり、ドル円は78円台後半と2月以来の安値圏で推移している。安住淳財務相は足元の円高について「投機筋の動きで過度に変動するようであれば、事態を注視する」と述べてはいるが、欧州経済の低迷を背景にして、政府・日銀による為替介入をイメージしにくい外部環境にあるため、市場の反応は限定的となっている。
一方、欧州債券市場では、スペインの10年債利回りが急ピッチで上昇している。市場では危険水域である7%が視野に入っており、スペインが支援要請に追い込まれるとの警戒感が強まると共に、ドイツ債との利回り格差が拡大する中、トリプルA格であるオランダ10年物国債利回りが過去最低を更新するなど、リスク回避に向けての選別化が進行しており、相対的にユーロの上値の重さに繋がっている。その中、ユーロドルは、一時1.23台半ば近辺と2010年7月以来の水準までユーロ売りが先行していたが、反面、膨大なユーロショートの積み上げを嫌気して、ポジション解消によるユーロ買い優先され、再度1.24台まで回復するなど、ユーロの乱高下は避けられない情勢にある。
他方、ドラギECB総裁が欧州議会証言において、ユーロ圏が直面している経済上の課題に対処するには、銀行の資本増強や監督強化のための信頼に足るメカニズムが必要との認識を示したが、お決まりのコメントであり、市場の反応は限定的になっている。
市場は明日の米雇用統計に関心が移る中、月末を控えて、ポジション調整に終始しているのが現状であり、相場の動意付けを待ってから始動することが得策であろう。