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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ債務危機ギリシャからスペインに完全移行!1.25割れ必至?

昨日は米国がメモリアルデーで休場のため、相対的に手掛かり難の中、ギリシャの世論調査において、緊縮策財政に前向きな新民主主義党の優勢が伝えられたことを受けて、ユーロドルは一時1.26台を回復したものの、スペインの銀行システムへの不安が拡大していることを受けて、ユーロは失速気味に上げ幅を解消している。
市場のコンセンサスはギリシャのユーロ離脱問題から、スペインの金融不安に確実に移行する中、リスク許容度の観点からも、ユーロロングを維持しづらい相場形態に傾斜している。ただ、ユーロ創設以来、投機筋のユーロショートの積み上がりが最大レベルまで拡大しており、積極的に売り切れない側面もあり、ユーロドル1.25割れ目前に神経質な展開を余儀なくされている。
一方、欧州債券市場では、経営難に陥った大手銀行バンキアの株価は過去最安値をつける中、スペイン国債とドイツ連邦債利回り格差はユーロ導入後の最高水準に達し、スペイン10年債利回りが6.5%と危険水域の7%を意識させるまで上昇している。また、バンキアの救済に向けては、スペイン政府が同行の株式と引き換えに国債を通じた資本増強を行う可能性があるとの報道を受け、スペインが支援要請に追い込まれるとの観測が高まっていることもユーロの上値の重さに繋がっている。
他方、ドル円は欧州情勢の悪化により、リスク回避の動きは根強いものの、米国市場休場の影響もあり、終始79円台半ば前後で推移、依然として、79〜80円のレンジ相場を形成している。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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