ユーロドル1.25割れ視野!ストップロス狙いの売り VS 反動買い?
先の欧州連合(EU)首脳会議はギリシャ問題に対する打開策もない中、結果的にはユーロ共同債の提案をめぐり対立した格好である。その中、安全資産を模索する動きが急を告げている。為替市場ではユーロはドルや円に対して、今月に入って既に5%程度急落しており、また、ドル指数も20カ月ぶり高水準を付けるなどリスク回避の動きが鮮明になっている。一方、債券市場では、ギリシャの早期離脱懸念が増す中、ドイツ、フランス、オーストリアなどの国債利回りがいずれも過去最低を更新するなど、欧州債の中でも選別化が進んでいる。昨日モンティ伊首相はEU首脳の多くはユーロ共同債を支持しており、早い時期に導入できると確信しているとしているが、中核国であるドイツが反対姿勢を強化しており、現状では視界不良と言わざるを得ない。
他方、ギリシャはユーロ残留を望んではいるが、現時点において、表立った財政計画は無い以上、ギリシャの再選挙の結果如何にかかわらず、ギリシャは緊縮財政の道しか残されておらず、必然的にユーロ離脱という立場に追い込まれるとの見方が大勢を占めている。また、ギリシャ国民の支持を背景にギリシャが財政緊縮策を拒否すれば、ECBによる資金援助が閉ざされることは明白であろうが、反面、スペイン及びイタリアへの悪影響に繋がり、欧州経済のみならず、世界景気への影響が計り知れないだけに、未だにユーロ共同債導入に関しては紆余曲折の段階と言わざるを得ない。
いずれにしても、欧州の情勢が即座に改善するわけでもなく、引き続きリスク回避傾向が強いため、市場のコンセンサスはドル買い・円買いに集中せざるを得ないが、日米共に、景気浮揚には潜在的なドル安・円安が求められており、これ以上のドル高・円高には懐疑的との見方は少なくない。