ギリシャユーロ離脱懸念深まる!ユーロドル1.25割れが視野に戻りは限定的?
注目のEU臨時首脳会談において、メルケル独首相は構造改革や労働市場の規制緩和を提案し、欧州投資銀行(EIB)の機能強化も提言すると述べる中、借金の肩代わりでユーロの進展はないとの見解を強調した上で、ユーロ共同債に関しては反対姿勢を崩していない。
一方、EUの作業部会がギリシャ離脱に備えユーロ各国が対応策を準備との報道を受けてユーロ売りが加速、ユーロドルは一時1.2550近辺と約2年ぶりの安値水準まで下げ幅を拡大。また、ユーロ円も一時、2月以来の100円を割り込み、99.55近辺まで下落するなど緊張感を強めている。EU首脳会談で特に進展がみられず、相対的にユーロを圧迫している状況であるが、ギリシャのユーロ離脱問題は来月17日の再選挙までは結着することはないであろうが、世論調査からは少なくともギリシャ国民の意識はユーロ離脱には反対の状況ではあるにしても、再選挙の結果如何によらず、ギリシャ国民は緊縮財政を受け入れるしか選択肢がなく、ギリシャのユーロ離脱は既成事実と化しており、スペインやイタリアへの波及懸念からもユーロの戻りは限定的と言わざるを得ない。
他方、昨日は欧州不安からNYダウは一時200ドルほど下落したが、米住宅指標が予想を上回るなど米経済自体は底堅さを維持しており、小幅な下落にとどまっている事もドル買いを誘引している。その中、ドル円は79円台半ば近辺で一進一退の展開であるが、リスク回避の円買いと日本国債の格下げによる円売りに挟まれ膠着度を強めており、79〜80円のレンジ相場の域を脱していない。