ユーロ不安定な上昇局面!1.28台半ばから戻り売りに妙味?
昨日は特筆すべき材料の無い中、中国の温家宝首相が改めて経済成長促進に一層の焦点を絞ると述べ、また、ドイツのショイブレ財務相はモスコビシ仏財務相との会談後、ギリシャをユーロ圏にとどめるために「必要なあらゆる措置」を講じることで両国が合意した旨を明らかにしたことから、市場はユーロショートを一旦解消する動きが優先されている。ユーロが4カ月ぶりに安値圏へ突入、また、ユーロの売り越しが過去最高水準に達している影響もあり、加速的なユーロ売りにブレーキがかかっており、短期的には反発する可能性も強まっている。ただし、依然として、ギリシャのユーロ圏離脱懸念が根強いことから、ユーロが反発しても一過性に終わる公算もあり、過度なユーロ高期待は禁物であろう。
一方、日銀が今週の金融政策決定会合で、成長下支えや円相場の押し下げに向けて追加緩和を決定するとの見方が広まったことを受けて、円は主要通貨全般に対して弱含んでいるが、未だに調整色の強い相場展開と言わざるを得ないだろう。
その他では、ドイツのメルケル首相はフランスと良い協力関係が続いているとしながらも、明日の欧州連合(EU)首脳会議ではオランド仏大統領と意見の衝突が起きる可能性を指摘している。ただし、EU首脳会議で具体的にどの点で意見対立が生じるかについては言及してはいないが、オランド大統領は首脳会議でユーロ共同債について協議したい考えである。ユーロ共同債発行については、既にメルケル首相は各国の国債利回りに格差が存在することによって、弱い国が経済を改革し、競争力を向上させる意欲が生まれるとして、ユーロ共同債に反対している以上、明日のEU首脳会議に一層注目が集まっている。