円高に警戒感!介入操作はユーロ円>ドル円が視野に?
先週末のG8サミットへの期待感と共に、ユーロは買戻しが優勢になっている。ここ最近の急ピッチなユーロ売りに値ごろ感によるポジション調整買いが加わったこともあり、相対的にユーロ売りに一服感が生じている。
一方、週末に開かれた主要8カ国首脳会議はギリシャが引き続きユーロ圏にとどまることに強い期待を表明するととともに、欧州債務危機によって脅威にさらされる世界経済の再生のためには必要なあらゆる措置を講ずるとの宣言などを採択し閉幕している。
宣言は同時にギリシャがユーロ圏から離脱すれば、欧州や世界経済に深刻な影響を与えるため、持続可能性な財政健全化対策を支持することも指摘しているものの、スペインやイタリアへの波及懸念があるため、具体的な対策には踏み込めなかった背景がある。
また、ギリシャ政府自体も再選挙を控えて、ユーロ圏にとどまれるかは微妙な段階ではあるが、既に破たん財政に直面しているギリシャ政府及び国民にとっての選択肢は財政緊縮と言うシナリオしかなく、同時に、ギリシャが他国からの支援策頼みでは、ユーロ圏離脱が余儀なくされるだろう。
他方、ユーロ圏ではスペインなどで金融システム不安が再燃する中、混迷が続く欧州政治経済情勢を背景に、依然として、リスク回避によるドル高、円高が進行しやすい相場環境にあるが、反面、シカゴIMM通貨先物市場(投機筋)ではユーロショートが異常事態のレベル173,869枚まで膨れ上がっている状況を踏まえると、一旦はユーロショートを調整する動きが生じても何ら不思議ではないだろう。
その他、急激な円高局面により、円売り介入操作を意識せざるを得ないが、欧州経済の脆弱性が増したため、現時点ではドル円よりもユーロ円サポートに回る可能性もあるため、ユーロの反発も一考しなければならないだろう。