ストップロス優先の展開!ドル円80円台への復活遠のく?
米景気回復期待が強まる中、昨日発表された5月フィラデルフィア連銀製造業指数が予想を下回ると共に、4月景気先行指数も予想を下回った結果、NYダウは下落、また、債券高(金利低下)の影響を受けて円買いに拍車がかかっている。欧州不安にもかかわらず、ドル円は80円台では底堅い動きを見せていたが、反面、ギリシャ管理内閣が発足したものの再選挙に対する疑念やユーロ圏離脱を背景に上値も限定的であったが、昨日は想定以上のストップロスを巻き込み、過剰反応気味に79円台前半まで急落している。
弱い米経済指標を受けて、NYダウが12500ドルを割り込み、米10年債利回りも1.7%割れまで低下したことも円買いに拍車をかけている。また、昨日発表された本邦GDPは、大震災の復興需要やエコカー減税など特殊要因はあるものの、予想を上回る拡大を示したことも円買い需要を助長させているのかもしれない。
一方、ブラード・セントルイス連銀総裁が米経済は2012年の序盤に関しては期待以上に好調。労働市場は改善しており、回復過程にある。米国は欧州や自国の財政状況からのリスクに直面している。長期間に渡ってのゼロ金利継続には警戒。欧州の景気後退にも関わらず米経済は好調維持可能などと述べている。
他方、格付け会社フィッチはギリシャの長期外貨建て・自国通貨建て発行体格付けをBマイナスからCCCに引き下げ、もし、再選挙で新政府が緊縮策を拒否した場合、通貨同盟には留まれないとユーロ離脱を示唆している。また、同国がユーロ離脱なら民間部門とユーロ建てソブリン債の広範なデフォルト引き起こす公算大きいとも述べるなど、ギリシャのユーロ離脱が更に現実味を帯びている。