ユーロ上昇余地希薄!戻り売り継続中?
ギリシャ問題に新たな進展は見られないが、ギリシャのユーロ離脱問題を背景に、同10年国債利回りが30%台まで上昇する中、スペイン国債利回りは自律回復の分岐点である7%まで上昇が危惧されていたが、スペインやイタリア国債利回りが低下を示したことから、市場にはECBが債券買い介入に動くとの見方が先行し、ユーロ売りに一服感が生じている。一方、ギリシャ4大銀行支援にはECBが180億ユーロのつなぎ資金を来週までに割り当てることが伝えられているが、ECBが資本不足に陥っている一部ギリシャ銀へのオペを中止したとの報道が伝わったため、ユーロドルの買い戻しも限定的になっている。その後、ECBはギリシャの銀行への支援を継続し、ギリシャ市中銀行は資本増強後に通常の資金供給に戻れるとしているが、資本増強は近く最終段階となると報じられるなど、ユーロは波乱含みの展開を余儀なくされている。
一方ドル円は、この日発表になった米経済指標が強い内容となったこともあり80円台半ばまで上昇していたが、FOMC議事録が追加緩和に含みを残す内容となったことから、米国債利回りが下げに転じたことからドル円の上昇も小康状態にある。
FOMC議事録においては、経済が失速もしくは下方リスクが十分に増大した場合には追加刺激必要との認識示す中、約半数のメンバーは少なくとも2014年終盤までFF金利を例外的な低水準に維持することが適切としており、前回の議事録内容とほぼ変わっていない、ただし、欧州状況に起因する世界金融市場の緊張、引き続き大幅な下方リスクと指摘している。