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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

ユーロ正念場!戻り売りでリスク軽減図る?

ギリシャの連立政権樹立の交渉が決裂したことを受け、再選挙が決定される中、本日にも選挙管理内閣が発足される運びになっている。そして、ギリシャ情勢懸念が深まると共に、ユーロ離脱の可能性が現実味を増したことが嫌気され、ユーロは対主要通貨に全面安の展開を強いられている。
一方、ギリシャ大統領が既に国内銀行から預金が引き出されている旨を発表、ユーロ圏の銀行から資金を逃避させているといった憶測まで浮上している関係上、ユーロドルは加速的に1.27台前半まで下落している。また、NY連銀製造業景気指数が予想よりも改善され、ドル買い需要が拡大したこともユーロ売りを助長した側面がある。
ただし、市場では投機筋のユーロショートの拡大を危惧する向きも少なくなく、相対的にギリシャの財政破たんやユーロ離脱懸念が先んじている感も否めない外部環境にあるため、一方的なユーロ売りに繋がるかどうかは懐疑的である。
他方、独仏首脳会談が行われ、メルケル首相は6月サミットで欧州の成長に関する考えを提示することが重要と述べる中、オランド仏大統領はギリシャがユーロ圏にとどまることを希望、可能な限り構造・成長促進策でギリシャを支援する用意があるとも述べていることから、一応、懸念された独仏の協調体制の足並みの乱れは回避されたとの観測が強まっており、現状ではユーロの戻り売りを優先することがリスク軽減に繋がるであろう。


プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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