ユーロショート危機的レベルに接近!更なるユーロ売りに躊躇?
ギリシャ政局混迷が深刻化したことを受けて、ユーロは4カ月ぶり安値圏に突入している。 ギリシャの政権樹立が難航していることが嫌気される中、欧州関係者側からもギリシャが初のユーロ離脱国となる可能性を視野に対応を検討し始めている声も少なくない。
オーストリア財務相がギリシャは厳しい局面にあり、それを認識した上で、EUとの約束に真摯に向き合う必要があり、それに対応できなければ、これ以上資金を得ることはできないだろうと述べている。また、ベルギー中銀総裁によれば、ギリシャのユーロ離脱は可能性があり、その場合のメインリスクは他のメンバー国に対して、ユーロ離脱の前例を作ると危惧していることが伝えられている。
一方、格付け会社ムーディーズはイタリアの銀行26行を格下げし、見通しもネガティブとしたことで、市場はユーロ売りで反応し、ユーロドルは1.28台前半まで下落基調を強めて
いる。いずれにしても、欧州ソブリンリスクに対して、あらゆる悪材料が顕在化する中、現時点ではギリシャ問題はその1つの火種に過ぎず、スペイン・イタリア・ポルトガルなどの重債務国への対応も迫られているだけに、もう一段のユーロ下落も想定せざるを得ない外部環境にあるだろう。
他方、オーストラリア・ドルは中国経済の減速懸念が広がる中、対米ドルで下落基調を強めており、今年に入って初めてパリティー(等価)を割り込んでいるが、原則的には高金利の優位性を重んじれば、下値は限定的と判断し、現状レベルからのショートは自重することが賢明であり、反発時期を模索する方がリスクは軽減されるだろう。