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鈴木郁雄の実践・為替ストラテジー

円高アクセルには、どうしても115円台が!

▲先週の一連の金利動向から、将来的な日米金利差の縮小はあるにしても、時期的なことになると未だに不透明であり、3月末のFOMCの利上げで、打ち止め感が生じ、円の利上げが確実視されて、はじめて、円高基調の始まりとも言える。いずれにしても、日欧とも低金利の弊害は無視できない状態でもあり、低金利の脱出が当面の要であることは間違いない。おそらく日銀も機を逸することはないと思うが、量的緩和緩和自体が問題視されており、膨大な(30~35兆)日銀当座残高が意味することが不良債権処理と銀行の貸し渋り対策であれば、その役目を終了しており、ゼロ金利政策を維持することが弊害ともなりかねない。デフレ懸念を論じる日本経済とインフレ懸念を論ずるアメリカ経済との比較では金利差拡大も歴然であるが、米国としても、5月のFOMCにおいて最終的とも言われるFFレートの利上げをイメージさせるためにも、今後も米経済の景況感を仰ぐ必要性もあるが、過度な景況感期待は、利上げの終息が判明次第、為替に対する反動はより大きくなることも事実である。特に米ドル離れ防止のための利上げ手段に繋がるような展開では、今後の米ドルの急落を想定する必要性がある。
▲当面は金融緩和解除だけでは円高基調にも限界があり、名目金利の変更が生じない限りは円高にも限界が見えるため、ドル円が115円をブレイクするには、思考錯誤の展開は避けられず、また人民元の切り上げも更に現実味を帯びないと、米国としても、円高を急ぐ必要もないとすれば、本格的な円高には時間を要すると思われる。
▲ユーロドルもユーロ圏の利上げが確実視されてはいるが、現状では材料出尽くし感もあり、ユーロドルの上値を追う展開ではないが、3月2日の欧州中銀金融政策発表において、利上げが実施されることにより、ユーロ圏の順調な経済動向が表面化することも考えれば、ユーロドルの下値の限度もあるが、上値も米ドル下落要因を待っているようでは自立反発の上昇1.200までと見るのが順当であろう。
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*******今週のペットでも判る簡単チャートSummary********作成年月日 2006年2月25日(土)
日銀の金融緩和解除が前面に押し出され、円の独歩高が形成されている市場であるが、相対的には円高のテンポが速すぎ、戻り警戒も生じてはいるが、他の通貨には米ドルが過大評価の傾向もあり、少な目の米ドル売りスタートも可能にするマーケットである。
そして、オセアニア通貨の裁定取引『スプレッド』もNZドルの軟調があり、拡大基調が続いているが、さすがに9円以上の乖離幅となると、リスクも限定的であり、最終段階に近いシナリオであり、妙味がある展開が期待できる。
▲ドル円 【ユーロドル⇔ユーロ円】
先週は118.05の売りを推奨したが、一気に116円台を見て、利益確定も考慮することもよし、中期的には115円を目指す展開と言えるが、あくまでも段階的な円高であり、ドル円116.85の売りシグナルは点灯中であっても、段階的な利益確定が優先される。
▲ユーロドル(『ドル円−ユーロ円』平均基準乖離幅25円 現状乖離幅22.00円)
先週1.1940の売りでポジション解消となったが、再度買いシグナルが1.1878前後で点灯中。少なめに
▲豪ドル(ドル円−豪ドル円 平均乖離幅28円 現状乖離幅30.40円)
買いシグナルが継続中0.7378→0.7390→今週0.7398。 
★NZドル(ドル円−NZ円 平均乖離幅33円 現状乖離幅39.40円)
先週は第二ステップの買い0.6684、まだ乖離幅が拡大中、
乖離幅の経過34.50→37.00→37.40→37.15→37.90→39.15円
買い継続中0.6628
★カナダドル(ドル円−カナダ円 平均基準乖離幅18円 現状乖離幅15.10円)
先々週売り1.1539でポジション解消。先週は1.1505は様子見であったが、今週は買いシグナル点灯1.1484
★ポンド(ドル円x2−£円平均乖基準離幅25円 現状乖離幅29.70円)
先週はポンドの買い1.7416点灯、今週も買い継続中1.7458
★スイスフラン(ドル円−スイス円 平均基準乖離幅23円 現状乖離幅円) 
先週は売りシグナル点灯1.3102 今週は第2ステップへ突入売り1.3166
★豪ドル円/NZドル円裁定取引(平均基準乖離幅6.50円 現状乖離幅 9.00円)
乖離幅が9円まで拡大、最近の最大乖離幅9.50前後を考え、チャンス到来、最終ステップの豪ドル円売り・キュウイ円買いが近い。 
過去の経緯(1週間ごと)
4.25円→5.75円→6.45円→7.20→6.40→7.90→8.05→7.30→7.00→8.35円
▲単純加算方式 ユーロ円+ドル円(255円以下は円高&260円以上は円安の目安) 
直近の経過253.05円→255.25円→259.10→261.90→258.15→先週258.95
今週138.80+116.85=255.65円 買い戻しが視野に
255円割れの買いと260円台の売り推奨
●欧州通貨ペア(新登場)
ユーロポンド=先週0.6853 売り→今週0.6804買いポジション解消様子見へ。
ユーロスイス=先週1.5638売り→今週売り継続1.5639。
ポンドスイス=先週2.2817様子見→今週2.2986売りシグナル点灯
*http://kentish.fc2web.com 新外為の森 参照
★本ペットチャートでは3段階分散投資をお勧めしています、常に少なめからの
始動をお願いいたします。最終的な投資・運用の判断はご自身の責任で行って下さい。
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プロフィール

鈴木郁雄

Ikuo Suzuki

ケンティッシュジャパン代表

オーバーシーズユニオン銀行入行後、フランスの3大銀行のひとつであるソシエテジェネル銀行東京支店に勤務、外国資金本部長として20年間のディーリング経験を持ち、為替のみならず今話題のデリバティブ業務を日本に導入し、ディーリング部門を統括し、多大な成果を挙げる。01年10月為替投資顧問会社ケンティッシュ ジャパンを設立、今現在も邦銀大手ならびにロンドン・ニューヨークなどの外銀ディーラーとの親密な情報交換し、投資家心理を加えた独自の分析には定評がある。

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